今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
にぶく光る
今週のさそり座は、「個体はすなわち種であり種はすなわち個体である」という思想に傾斜していくような星回り。
生態学者・今西錦司は『生物の世界』の中で、ダーウィンの自然淘汰の考えを全面的に否定して「種は変わるべくして変わる」と主張し、「種自身が変わっていく場合には、早く変異をとげた個体はいわば先覚者であり、要するに早熟であったというだけで、遅かれ早かれ他の個体も変異するのである」と述べました。
一部の天才や革命児によるリーダーシップばかりを待望するばかりでなく、一般庶民の方こそが「その時がきたら」率先して変容していかねばならないのだと言っている訳です。
あなたもまた、今まさにそうした「変容」のフェーズに入りつつあるはずです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
斜め上空から見返す
今週のいて座は、精神を頭上のはるか彼方へと解き放っていこうとするような星回り。
『浜焚火かつては船でありしもの』(大島雄作)という句のごとし。浜辺でそこらに転がっている流木などを集めて焚き火をしていたのでしょう。その中に、船の残骸がまじっていることに気が付いた。
それを作者は「かつては船でありしもの」と言ってみせた訳ですが、生き物であれ乗り物であれやがてすべてのものは残骸となっていくのであって、当然そこには「かつては人でありしもの」、そして「かつては私でありしもの」も含まれてくるはず。
あなたもまた、物事を見る次元を一段も二段も引き上げてみるといいでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
最後の一線はいずこ?
今週のやぎ座は、下手な小細工に走るのでなく、そっと自分を変えることに勤しんでいくような星回り。
「変」という字は、かつて「變」と書きました。上半分は、「もつれる、ごちゃまぜにする、ひっくり返す」という意味を表し、下半分は動詞記号。すなわち、黒の裏は白、善の裏は悪といったように、裏表の関係にあるもののひっくり返しから、転じて「変わる」という意味になったのだそうです(藤堂明保『漢字語源辞典』)。
そこからさらに敷衍(ふえん)すると、「恋」の旧字体である「戀」とは、2本の糸が1つの言葉をはさんで表裏をなすようなものと言えるのではないでしょうか。
あなたもまた、ここまで読んでなんとなく思い浮かべていた相手との関係を「戀」だとするなら、もつれて当然なのだと諦めをつけてから、拒絶覚悟で相手を抱き寄せるか、黙って立ち去るかを選んでいくべし。