今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
発作的な居直り
今週のさそり座は、“しらけ”の加速化を体感していくような星回り。
『月に飽く夜道を寒き欠びかな』(佐久間法師)という句のごとし。
月のいい晩に、夜道を戻ってきている。はじめはさわやかな月の光をほめたたえ、どこか浮かれるような気持ちにもなったが、だんだん寒くなってくるし、退屈にもなってきてしまって終いにはあくびが出るというのです。
あなたもまた、すでに許容量を超えて取り入れてしまっているものに「飽く」ことをみずからに許可していくことがテーマになっていくでしょう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
遠い音色をなぞる
今週のいて座は、日本列島人の信仰のあり様の中に自身の思想的ルーツを見出していこうとするような星回り。
宗教学者の山折哲雄は、「神なき時代の信仰-「善悪」の世界から「無」のかなたへ」という文章の中で、無宗教と誤解されがちな日本人の信仰心を読み解くキーワードとして「四季」「鎮魂」「縁起」「気配」の4つを挙げ、「奥ゆかしさ」の美学を分かりやすく今日に伝えてくれるものとして、八代亜紀のうたう「舟唄」の歌詞とメロディーについて言及しています。
「日本列島人は、いつごろからか、この穏和な「しみじみ」信心、何ごとも深追いをしない「ほろほろ」宗教で万事ことをすませてきたのではないか。」
あなたもまた、そうした先人たちの記憶のプールにおのずとアクセスしていくことになるかも知れません。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
令和の壁ぬけ
今週のやぎ座は、今までなかなか越えられなかった溝や壁を不意に越えてしまうような星回り。
『捌かるる河豚の唇ポとひらく』(千野千佳)という句のごとし。
焦点となっているのは「捌かれているふぐの唇」。河豚からすれば断末魔の叫びの1つでもあげたくなるような苦悶の表情を、「ポとひらく」と表してみせたところに俳諧味を感じます。苦いおかしみとも言い換えられますが、より主体的にいうのなら「苦しいポ」という語尾の芸となるでしょうか。
あなたもまた、いよいよ困ってしまったときほど「苦しいポ」とつぶやいてみるべし。