今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
静かな情熱
今週のかに座は、自分の指針となるようなロールモデルを改めて掲げていくような星回り。
『冬薔薇や賞与劣りし一詩人』(草間時彦)という句のごとし。
数多いるうちの「一詩人」に過ぎない、といった謙遜するような言い回しをしていますが、冬の厳しい寒さの中つつましくも気高い姿で咲く「冬薔薇」と取り合わせていることからも、詩人であるということが作者にとってどれだけ誇りであり、心の支えになっていたかが伝わってくるはず。
あなたもまた、自分の心からの矜持をあずけられるような存在を見出していくことがテーマとなっていきそうです。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
葬られた星のような
今週のしし座は、もがき回りながらも着実に自身の大変容に備えていこうとするような星回り。
レベッカ・ソルニットの『迷うことについて』には、蝶の一生について綴った名文があるのですが、そこでは形態の大々的なメタモルフォーゼを伴う幼虫の蛹化や成虫への羽化についてだけでなく、それほど劇的ではない変化について言及したくだりがあります。
「齢(れい)という言葉には、天上的であると同時に内向的で、天国のようでありながら破滅的なな、そんな響きがある。たいていの変化というものはそんな葬られた星のような、遠くと近くの間で揺れつづけるものなのかもしれない。」
あなたもまた、地を這い回りながら環境の中での自分の立ち位置を必死に把握していく、芋虫になったつもりで過ごしてみるといいでしょう。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
脱・閉鎖系
今週のおとめ座は、誰か何かを自分のもとにやって来させる導線を引いていくような星回り。
『寒き電線絡み入るスナック純』(坊城俊樹)という句のごとし。
時代の空気感を的確に言い表すことで共感を呼ぶ冒頭の措辞からの、意表をついたリズム感と無視できずに目で追ってしまう生々しい描写の組み合わせ、そしてみんなの懐かしさの最大公約数を形にしたような店舗名。この一連の流れは、そのまま今のあなたの指針となるマーケティング戦略とも言えるかもしれません。
あなたもまた、どんな人をどんな流れで自分のもとにおびき寄せたいのか、改めて考えてみるといいでしょう。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
おとなの都合からの脱却
今週のてんびん座は、まずは自分の手や足を動かすなかで「見えない振動」を起こしていこうとするような星回り。
双極性障害の当事者の立場から、既存の「現実」観に大いに揺さぶりをかけ続けてきた作家の坂口恭平。
坂口が大切にしているのは、「現実」を変えようと闇雲に古い体制を糾弾したりそれを周囲に呼びかけたりする代わりに、創造的改変へと向かうためにいったん立てこもる「思考という巣」をもつことであり、「クルクルっと巻かれて現実の隙間にそっと隠れる」ことのできるような、目に見えない空間を確保していくことであるように思います。
あなたもまた、現実の背後にそうした目に見えない「思考の巣」をいかに作り出していけるかということを自分なりに追究してみるといいかも知れません。