何かと忙しなくなる師走。たまには現代アートを鑑賞して、ほっと一息つく時間を作ってみませんか?
東京・白金台の東京都庭園美術館では、2024年11月30日(土)~2025年2月16日(日)の期間で「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」を開催中。
美しいアール・デコ建築で知られる旧朝香宮邸にて、鉄やガラスを素材とした作品によって空間が彩られています。会場内は写真撮影も可能なので、たくさん記録に残しておきましょう。
東京都庭園美術館で「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」が開催中
東京都庭園美術館 入口
「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」は、2人の現代作家による“光”に注目した企画。旧朝香宮邸の館内に、現在アート作品が多数展示されています。
重い素材とされる鉄に向き合い、鉄を溶断する時にあらわれる内部の“透明な光”からさまざまなインスピレーションを得てきた青木野枝さん。
一方、三嶋りつ惠さんは身の周りに溢れる光の表情に心を寄せ、自身のガラス作品を通して“光の輪郭”を描き出そうと試みてきました。
三嶋りつ惠 制作をめぐる資料 ガラス、サンプル、作品パーツ、模型ほか
本展は“旧朝香宮邸に新しい息吹を取り入れたい”という趣旨のもと、現代アーティストの創造によって、過去と現在が共存する風景を作り出しているのだとか。
空間に合わせて鉄をつなぎ合わせ、ドローイングを描くような青木さんと、無色透明なガラスにこだわりを持つ三嶋さんが織りなす、唯一無二の作品は必見です。
“見慣れた日常の風景に新たな光をもたらす”ような展覧会です。
青木野枝《ふりそそぐもの/朝香宮邸-Ⅰ》2024 鉄、ガラス
1年半以上に渡り、何度も会場へ足を運んで装飾空間との対話を重ね、今回の大型インスタレーションが完成したとのこと。
展示作品と会場の調和も、注目したいポイントです!
鉄とガラスが彩る、素敵な空間にうっとり…
三嶋りつ惠《光の場》2019 ガラス、アルミニウム
アール・デコ様式の旧朝香宮邸が完成したのは、1933年のこと。そのアール・デコ建築の中で、鉄とガラス素材はふんだんに取り入れられています。
そこに青木さんと三嶋さんの作品が加わり、時を超えた特別な競演が実現。思わず見惚れてしまう、美しい佇まいにうっとりとしてしまいそうです。
三嶋りつ惠《宇宙の雫》2022 ガラス、銀
館内に差し込む光は、時間帯によってさまざま。昼間に差し込む眩しい自然光から、温かみのある夕暮れの灯りなど、時間によって移りゆく風景を楽しめます。
見る角度を変えることで光の入り方や反射も変化するので、ぜひいろいろな場所から鑑賞してみましょう。
青木野枝《ふりそそぐもの-赤》2024 鉄、ガラス
本館と新館ギャラリー1、庭園に設置された展示作品は、全部で28個。目を見張るような大型作品から、建物の一部に溶け込んだような作品まで、見逃さないようにしてくださいね。