誰でも参加できる
代官山駅前というその立地から、サステナビリティに関心がなくてもCIRTY CAFEを訪れる人も多くいます。店内には、知識を得るきっかけをつくる仕掛けが散りばめられています。
例えば、カフェ2階に設置されたボックス「PASSTO(パスト)」。一見、ファストフード店の食器返却ボックスのようですが、来店客は「RECYCLE STAND」という文字を見て、その役割に気づきます。不要になった洋服やおもちゃ、牛乳パックを入れると、株式会社ECOMMITによって選別され、国内外でリユース品として再流通されるか、再資源化されるというもの。誰でも気軽に不用品を持ち込める仕組みです。
座席の周りにはサーキュラーエコノミーに関する本や掲示があり、気が向けば手に取ったり眺めたりできる程度のさりげなさを保っています。
「なるべく素の状態で、無理せずにやってみたいと思ってもらえるくらいのちょうどいい温度感を意識しています」と八島さんは話します。
ハーブを育て、カフェで提供し、残渣を堆肥にリサイクルして使用する「店産店消」
Akiko Kobayashi / OTEMOTO
廃棄物から生まれた電気を使用
CIRTYでは、外から見えにくい部分でも、サーキュラーエコノミーを徹底して実践しています。カフェで出た食品廃棄物は工場に運ばれてバイオマス発電に再利用され、フォレストゲート代官山で使用する電気に生まれ変わっています。そのメタン発酵の過程で出る残渣も堆肥として、カフェの屋上菜園や提携農家で使い、そこで栽培した野菜やハーブをカフェで提供しています。
「東京は街それぞれにカラーがあります。オフィス街といえば丸の内、スタートアップが集まる街といえば渋谷、といったイメージがありますが、サステナビリティを実践している街といえば代官山、と言われるようにしていきたい」
おしゃれにラッピングされたサステナビリティを超えて、生活と密着した街ぐるみの循環型社会に。CIRTYに集まる人たちの熱量も日々、高まっています。
特集:いまさらだからこそ「サステナブル」って?
OTEMOTO