今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
新たな星座を作るため
今週のかに座は、想像力を高めるのに役立つ習慣作りに徹していこうとするような星回り。
フランスの女性作家で詩人のジョルジュ・サンドは、いったんは結婚し子供をもうけたものの退屈な夫にあきあきし、自由思想が飛び交う刺激的なパリの社交界へ飛び込んでは、葉巻を片手に男装して周囲を振回したり、多くの男女とも情事を重ねて周囲の顰蹙を買い、それをみずからの愉しみにしていた女傑(フェミニストの走り)として知られています。
彼女との創造的な恋愛関係で有名なショパンにしても、彼女の第一印象について「なんて感じの悪い女なのだろう」と回想しているなど、つねに悪評やスキャンダラスな噂がたえませんでしたが、そうしたサンドの人物像は実際より大げさに語られたもので、彼女の仕事ぶり自体はきわめて真面目なものでした。
あなたもまた、節度と根気強さとをもってみずからの習慣から悪習をとりのぞいていくべし。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
そろりそろり
今週のしし座は、どれ程ぎこちなかろうと真摯に「踊りと慰め」を追求していこうとするような星回り。
『曖昧に踊り始める梅見かな』(野口る理)という句のごとし。
古来より、踊りは単なるレクリエーションでも、生産を願い祝うためのものだけでなく、人が神に近づき神が人に近づく仕業であった訳ですが、現代人が喜怒哀楽のメリハリを失ってしまったように、踊りの霊を慰める側面もまたいつしかうまく作動しなくなってしまったのではないでしょうか。
あなたもまた、世間や人の目ばかり気にする代わりに、古来から変わることなく続いている自然の姿をこそ見習っていきたいところです。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
幻想に食われないために
今週のおとめ座は、自分を<死>に追いこむような強迫観念をどうにか解消していこうとするような星回り。
ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』の終盤、夢の世界「ファンタジーエン」での冒険を終えた主人公バスティアンに向かって、謎の本「はてしない物語」の持ち主は、次のように語りかけました。
「ファンタジーエンに絶対に行けない人間もいる。……行けるけれども、そのまま向こうに行ったきりになってしまう人間もいる。それから、ファンタジーエンに行って、また戻ってくるものもいくらかいるんだな、きみのようにね。そして、そういう人たちが両方の世界をすこやかにするんだ」
今週のおとめ座もまた、そんな生命線をどこにどう引いていくのか(デザイン)を改めて考え、そしてみずからの手で実践してみてください。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
いったんお休み
今週のてんびん座は、古びたタガを外していこうとするような星回り。
『たはぶれに美僧をつれて雪解野は』(田中裕明)という句のごとし。
僧侶ではなくわざわざ「美僧」としたのは、「たはぶれ(戯れ)」の逸脱ぶりや偶然性を強めたかったから。すなわち、彼の美貌は仏道の修行を真面目にすすめていく上で大いなる妨げになるに違いなく、それを分かった上であえて実行する酔狂こそが、この句の底にあるのでしょう。
あなたもまた、自分の足かせになってしまっている変な真面目さや偏執的なこだわりを捨て去っていくことがテーマとなっていきそうです。