今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
不条理を超えていくために
今週のさそり座は、ある種のチャネリングを通して、個人的/生物的な行き詰まりを突破していこうとするような星回り。
科学哲学者のアーサー・ケストラーは『機械の中の幽霊』において、私たちが「結婚」するのは、遺伝子の揺らぎを獲得し、システムの破局を超えるための多様性を得ていくために必要だから、というアイデアを示していました。
ケストラーの考えでは、ある行き詰まりを迎えたシステムは、その限界を超えるためにどこかで「創造的進化」を遂げていく必要がある訳ですが、ここで思い出されるのが士郎正宗の『攻殻機動隊』であり、その主人公で公安9課に所属する全身義体のサイボーグで、「少佐」というコードネームで呼ばれる草薙素子です。
あなたもまた、狭苦しい自分の思考を拡張してくれるような、<より大きなもの>と接触していくことができるかも知れません。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ネズミと議論するネコ
今週のいて座は、支配の挫折と引き換えの関係の再構築を迫られていくような星回り。
『蔦断つて氷室の扉ひらくなり』(橋本鶏二)という句のごとし。
「断つ」という動詞には、人為の介入がありますが、断った結果、「ひらくなり」とは言っても、それは自力で扉を押し開けたわけではない。むしろ、蔦を取り払うことで、ようやく元の自然の機能が回復されたという印象で、「なり」で終わる句末もどこか傍観的で、他人事のような視線すら感じさせます。
あなたもまた、そうした「待つこと」や「従うこと」の境地を大事にしていきたいところです。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
社会のハメ技から抜け出していくために
今週のやぎ座は、「ダブル・バインド」からの脱出キャンペーンを迎えていくような星回り。
歴史的に見ても、今ほど人類がコミュニケーションにおける誤解や行き違いを経験する頻度が高まった時代はないのではないかと思うことが増えてきましたが、ここで思い出されるのが、ほとんどの精神病理は「コミュニケーション不全」に由来するというグレゴリー・ベイトソンの指摘です。
精神医学者で文化人類学者でもあったグレゴリー・ベイトソンは、そうしたコミュニケーション不全を引き起こす典型的なパターンを「ダブル・バインド」と呼びました。
あなたもまた、いつの間にか当たり前になっていた「矛盾したコミュニケーション」の外へと出ていく絶好のタイミングとなっていくでしょう。