今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
席巻していくべきもの
今週のさそり座は、地球という劇場で繰り広げられる一瞬の熱狂に、祈りを重ねていこうとするような星回り。
『この星にフットボールよ大南風』(阪西敦子)という句のごとし。
「フットボールよ」の「よ」にある詠嘆や祈念に響きからして、おそらく、作者は人間の営みのなかでも、最も力強く、厚く、美しいものとしてフットボールがこの星に発生し、夏空の下で汗と埃にまみれながらボールを追う人間たちや、彼らを応援する人々の姿に、ささやかな希望を抱いたのではないでしょうか。
あなたもまた、自分なりの人間賛歌を練り上げていきたいところです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
リズミカルな衝撃
今週のいて座は、自分の人生で欠かすことのできない課題は何かということを、改めて明確にしていくような星回り。
英語の文芸誌『パリ・レビュー』のインタビューにおいて、村上春樹は長編小説を書いているとき、午前4時には起床し、5~6時間ぶっ通しで仕事をし、午後はランニングをするか水泳をするかして(両方ともすることもある)、雑用を片付け、本を読んで音楽をきき、夜9時には寝るという。
もちろん、村上も最初からこうした習慣を実行していた訳ではなく、プロの作家になってから数年間は、東京で小さなジャズクラブを経営しながら、座ってばかりの生活をしていて、一日に60本ものタバコを吸い、急激に体重が増えていき、そこで生活習慣を根本的に変えることを余儀なくされたのだとか。
あなたもまた、自身の生活習慣をもっとも優先すべき課題や関係性に応じて、よりふさわしいものに作り変えていくことが大きな課題となっていくはず。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
自己治癒の儀式
今週のやぎ座は、遊び心をもって自己治癒の儀式にのぞんでいこうとするような星回り。
『かなしみの芯とり出して浮いてこい』(岡田史乃)という句のごとし。
この句のキモは、「浮いてこい」が単なる玩具を指すだけでなく、「かなしみの芯をとり出して、おまえを浮かびあがらせよ」という命令形の直喩表現、ないし祈願的な希望を込めた訴えかけに転じて、巧みに詩の重心をずらしている点でしょう。
あなたもまた、「深い悲しみ」と「浅い水面」の間を行き来するような詩的な浮力を改めて感じていくことができるはず。