こんにちは! 家事シェア研究家の三木です。「夫婦仲はいいんですけど、家事育児になると途端にイライラしちゃうんです」先日そんな相談を受けました。愛情はあるのに、なぜかうまくいかない。その理由は、もしかしたら「リスペクト」が足りていないからかもしれません。
愛情があるのに、なぜうまくいかない?
夫婦仲は悪くない。むしろ、愛情だってちゃんとある。
でも、家事育児の分担の話になると、途端にすれ違ってしまう。「言ってくれればやるのに」「そうじゃなくて、気づいてほしいの」と、お互いの言い分がぶつかり合う。こうした話を聞くたびに思うのは、「愛情だけでは埋められない溝がある」ということです。
もちろん、愛情は大切です。でも、結婚生活を支えるのは愛情だけではありません。もうひとつ、とても重要な要素があるのです。それが「リスペクト」です。
「愛情」と「リスペクト」は何が違う?
愛情とリスペクトは、似ているようで全く違います。
愛情は「好き」「大切に思う」という感情。相手のことを思う気持ち、一緒にいたいという感情。これは恋愛の中心にあるものです。
一方で、リスペクトは感情ではなく、態度や行動に表れるものです。僕が考えるリスペクトとは、「相手の人生に敬意を払い、応援できること」です。
パートナーを、自分の人生を補完する相手としてではなく、自分が相手の人生を補完できる喜びを感じられるということ。たとえば、「愛情はある」と言いながら、相手の時間や人生を軽んじてしまうことってありませんか?
「家にいるんだから、これくらいやってよ」「仕事って言っても、俺のほうが大変だし」。こうした言葉の裏には、相手の人生への敬意が欠けています。
愛情は感情。リスペクトは態度。恋愛では愛情が中心になりますが、結婚生活ではリスペクトが土台になるのだと思います。
リスペクトがある夫婦は助け合える
パートナーへのリスペクトがある人は、どのような接し方をするでしょうか。まず、相手の時間を尊重します。だから、家事育児の負担に自然と気づけるのです。「あの人、毎日こんなに大変だったんだ」と。
そして相手の人生を応援します。パートナーのキャリアや趣味を、心から応援できる。「がんばって」じゃなくて「応援してるよ、何か手伝えることある?」と言えるようになる。
また、相手の意見を尊重もします。意見が違っても、それは喧嘩の種ではなく、ただのアイディアの違いでしかない。そして何より、「この人の役に立てて嬉しい」という気持ちが生まれるのです。
家事シェアが上手くいっている夫婦を何組も見てきましたが、必ずと言っていいほど共通しているのが、お互いに対してのリスペクトを持っているということでした。逆に、上手くいかない夫婦が失ってしまっているのも、お互いへのリスペクトなのです。
リスペクトは日々の小さな積み重ねから
では、リスペクトを育むためには、どうしたらいいのでしょうか。
まずは、「相手は他人である」ことを意識してみてください。
どんなに親密でも、夫婦はもともと他人同士。同じ価値観、同じ考えを持っているはずがありません。だからこそ、相手の時間や人生を、自分のものと同じくらい大切に扱う必要があるのです。
相手がやりたいことや大切にしていることに、興味を持ってみましょう。「最近、何に興味あるの?」「どんなこと考えてる?」。そんな会話から、相手への理解が深まっていきます。
そして、「ありがとう」「お疲れ様」を日常的に伝えること。こうした小さな言葉の積み重ねが、リスペクトを育んでいくのです。
完璧じゃなくていい。少しずつでいいんです。
愛情とリスペクト、両方があるから深い関係になれる
愛情だけでは乗り越えられないことも、リスペクトがあれば乗り越えられます。
お互いの人生を尊重し合える関係は、夫婦の絆をもっと深くしてくれるはずです。