冬に活躍するイメージが強い布団乾燥機ですが、梅雨や夏のジメジメ対策など、通年で活躍する家電なんです! でも温風を出すだけで、どれを買っても一緒だと思っていませんか? 今回は人気の8製品を比較し、乾燥力を徹底検証。温めからダニ対策まで、一年中しっかり使えるおすすめをご紹介します。
天日干しよりダニに有効なモデルも!布団乾燥機は年中使える家電です

「布団乾燥機」は、温風を出して布団を温め、湿気を取って乾燥させてくれるもの。
布団乾燥機があれば「外に干せない」悩みが解決します

四季のある日本は、一年を通して温度や湿度の差が激しいうえに、天候の変動も多い国です。そんな日本で厄介なのが「布団が干せない問題」。
冬には布団がキンキンに冷えて、寝つきが悪くなったり、春には花粉や黄砂が外に飛び交っていて外に干せない悩みが増えてきます。また、そもそも忙しくて外に干す時間がない方も多いですよね。

最初は、どれを選んでも大して変わらないのでは? と思ってましたが、実際に8製品をテストしたところ、乾燥する力に大きく差があることがわかりました。

ここでは、布団乾燥機の選び方とポイント、実際におすすめの製品をランキング形式でご紹介します。
布団乾燥機には2つの種類があります
布団乾燥機には大きく2つのタイプに分かれます。一つは「エアマットで温めるタイプ」で、もう一つは「マットを使わず、ノズルを差し込んで温めるタイプ」。

こちらは、付属のマットを布団と敷布団の間にはさんで温風を送り込みます。

ここでは「マット無し」とは、主にノズルで温風を送り込むタイプをさします。
決め手は乾燥力とあたため性能“乾燥”をデータで見える化しました
大まかなタイプがわかったら、次は選び方が気になるところ。ですが……。

そこで今回のテストでは、選ぶポイントとして重要な「乾燥性能」と「あたため性能」をデータで計測。さらに「使いやすさ」を編集部で比較しました。

今回はジメジメ状態の布団を再現し、乾燥力をテストします。
[チェック2]乾燥度を温湿度センサーで計測

温度と湿度を一定時間ごとに計測できる専用のセンサーを使用。計測環境を整えるために、晋遊舎検証部門「LAB.360」の松下所長の立ち合いのもと検証を行いました。

使用したのは、温度(℃)と相対湿度(%RH)を計測することができる温湿度計。記録間隔は1分に設定して測定しました。
[チェック3]センサーを5カ所に設置

敷き布団の下には大きめの毛布を用意し、床からの冷気を遮断。敷き布団表面の4カ所と裏面の1カ所にセンサーを設置しました。あたため性能のテストでは、表面の4カ所のみにセンサーを設置しています。

運転が終了した時点で掛け布団をめくり、敷き布団表面の温度をサーモグラフィーでも測定しています。
圧倒的な乾燥力を誇ったのはアイリスオーヤマ「KFK-W1」


アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA)
ふとん乾燥機 カラリエ ツインノズル
KFK-W1
実勢価格:1万2569円
サイズ:W16.8×D19.5×H36cm(ホース折りたたみ時)
重量:2.2kg
コード長:1.9m
布団乾燥:冬60分/夏80分
見事1位に輝いたのは、アイリスオーヤマの「カラリエ KFK-W1」です。温度のムラもなく、布団全体をしっかり温めてくれました。

しかし本機にはその傾向はなく、表面4カ所の温度がほぼ均一に上昇しました。

検証開始からわずか10分ほどで表面4カ所の湿度が10%程度まで減少。また、運転を開始してすぐに布団が乾き始めています。

続いて温度の推移です。表面4カ所の温度上昇にはムラが見られず、布団全体にしっかりと温風が行き届いているのはグラフを見れば明らかです。

サーモグラフィーを見ても全体的に赤く、温度が低い場所は見られませんでした。

あたため性能においては、乾燥モードよりも温度が上昇するのが速く、5分で50℃を超えるという結果に。20分間のあたためが終わった時点では60℃まで上昇しています。

使うときは吹出口の上部が開きます。フラップが布団を持ち上げるので、温風が循環しやすくなっているんです。
階段でも持って上がれる最軽量の2.2kg
乾燥力もさることながら、特筆すべきはその軽さにあります。重量が2.2kgと軽く、本体も小さいので、片手で持ち運びができます。

階段などを上り下りする際も片方の手で手すりを握れるので、安心です。

またホースが2本付いている特権として、2足同時にくつを乾かすことが可能です。これなら雨の日も安心。くつ乾燥用ノズルも2つ付属しています。
ノズル1本タイプ「KFK-C3」も優秀な成績で同じくベストバイ


アイリスオーヤマ
カラリエ KFK-C3
実勢価格:1万301円
KFK-C3はノズルが1本のシングルタイプ。ノズルに付いたフラップの構造はダブルと同じです。ツインタイプよりも風量がやや多く、開始20分でほぼ乾燥でき、10分で50℃まで温度が上昇しました。一人暮らしならシングルタイプで十分といえます。
乾燥性能試験はシングルも優秀!ノズルを差し込むだけでムラなく乾く

シングルタイプは20分で乾きました。
あたため性能も抜群!シングルは10分で50℃越え
シングル


あたため性能も優れており、シングルは10分で敷き布団の頭と中央部分が50℃を超えました。
残念ながら乾燥速度が一歩及ばずシャープ「UD-AF1-W」


シャープ(SHARP)
プラズマクラスターふとん乾燥機
UD-AF1-W
実勢価格:7999円
サイズ:W24.3×D24.3×H38.6cm
重量:4kg
コード長:1.8m
消臭乾燥:冬60分/夏80分
2位にはシャープの「UD-AF1-W」がランクイン。基本的に乾燥力は高いですが、1位のアイリスと比べると引けを取る点も。

湿度変化グラフでは、20分を過ぎたあたりで表面4カ所の湿度が10%までになっており、そこで乾燥が完了しています。


温度変化グラフ、サーモグラフィーを確認すると放射線状に温風が広がっています。しかしそこまでムラはありませんでした。

「ふとんのあたため(全体)20分」で測定しています。運転開始から表面全体の温度がムラになることはなく、均一に上昇していきました。

使用するときは、上部のきのこヘッドを取り出し布団の中央部に差し込むだけ。簡単に準備ができました。
風が広がる「きのこヘッド」を開けば1台3役に早変わり!
本製品はアイリスのような布団に直接載せて使うタイプではなく、床に置いて使う置型タイプ。独自のヘッドを搭載することで風が広範囲に広がります。

衣類乾燥は、上部のきのこヘッドを押し上げるだけでOK。

くつ乾燥モードはくつ乾燥アタッチメントに取り替えて使用します。布団乾燥以外の機能が充実していて、年中出しっぱなしで使い回せる一台です。
ホースを省いたシンプルな設計象印の「RF-EA20-WA」


象印マホービン(ZOJIRUSHI)
ふとん乾燥機 スマートドライ
RF-EA20-WA
実勢価格:1万1240円
サイズ:W33.5×D13×H35cm(コードバスケット含む)
重量:4.1kg
標準コース:60分
3位には象印マホービンの「RF-EA20-WA」が入りました。裏面の乾燥が少し残念な結果に。

中央がやや遅れをとったものの、それ以外の3カ所は15分ほどで10%台まで乾燥しており、約30分で乾燥が完了しました。しかし裏面の乾燥は40%と、湿気を十分に取り切れていないという結果です。


温度の変化を見ても、中央が緩やかです。吹出口付近が高温になっていました。

「しっかりコース30分」にて測定しました。足元のあたためにやや時間がかかっていましたが、終了時には50℃まで上昇。

シンプルな設計で、使用するときはノズルを全開にして布団に差し込めばOK。約5秒で設置が終わります。ノズルをたためば、フラットな形になるので、収納も楽チンです。
シンプル構造だから使い方は自由です
シンプルな設計なので、コンパクトな温風機としてさまざまな用途に使えます。

おすすめは、リビングのソファーあたためです。ソファーに置いてブランケットを掛けておけば、ホカホカソファーの出来上がり。ただし、革のソファーなどには使えないので注意してください。
頭側の乾燥に時間がかかりましたパナソニック「FD-F06X2」


パナソニック(Panasonic)
ふとん暖め乾燥機
FD-F06X2
実勢価格:1万8205円
サイズ:W30×D14×H39.8cm
重量:3.3kg
ふとん乾燥:標準60分/しっかり80分
ふとん暖め:足もと5分/標準20分/しっかり40分
4位に入賞したのはパナソニックの「FD-F06X2」です。

50分に差し掛かるところでやっと10%ほどの湿度に。頭側の乾燥にかなり時間がかかりました。それ以外の3カ所は10分ほどで10%まで湿気が減少しており、裏面もまずまずの結果だっただけに残念です。


温度変化グラフを見ても、やはり頭部分だけ温度の上昇が遅いです。ムラになっているのもいただけません。

「ふとん暖め標準(冬)20分」で測定しました。全体の温度上昇が激しく、吹出口付近の中央は開始5分で60℃まで上昇するという結果に。

ノズルの取り出しはとてもスムーズ。すっと取り出して差し込むだけなので、ベッドのそばに常備しておけばラクラクです。
温風が全体に行き渡らずムラがある日立の「HFK-VH880」


日立(HITACHI)
ふとん乾燥機
HFK-VH880
実勢価格:1万800円
サイズ:W28.3×D21.7×H33.8cm(ホース折りたたみ時)
重量:4.3kg
コード長:1.9m
布団乾燥時間:綿以外30分/綿40分
布団暖め時間:10分(ふとん)/5分(足もと)
残念ながら5位となってしまったのは、日立の「HFK-VH880」。温風の拡散力が足りず、乾燥のムラがかなりあります。

中央はしっかり乾燥しているのがわかりますが、他は湿度減少の推移がバラバラです。特に中央から離れた位置にある頭側と足元は完全に乾燥できていません。


温度の推移もバラつきが見られました。頭側の温度は10℃ほどしか上がっておらず、温風が端まで行き届いていないことがわかります。サーモグラフィーで見ても、左にある頭側は温度が低い緑色。

「暖めコース」で測定。このコースは布団の足元にノズルを差し込むので、その箇所はしっかり温度が上昇しています。しかしそれ以外はほとんど上がってません。

「敷ふとん両面乾燥」は、U字型になっているノズルを敷き布団の中央に挟み込んで使用します。フローリングの上で行うときは、傷がつかないよう敷き布団の下に絨毯などを準備する必要があるでしょう。
ダニの駆除をしたいと考えているなら「マット有り」を選びましょう
次はマット有り部門のランキングですが……その前に、マット有りタイプの特徴を改めて説明します。

マットを掛け布団と敷き布団の間に挟むことで布団に密着するため、熱が隅々まで回りやすくなります。

湿気をとるのに天日干しは有効ですが、ダニの駆除としてはあまり効果的ではありません。日が当たる面にはある程度の効果はあるものの、それだけではまだダニは生きている状態なので、陰のほうに隠れてしまうのです。
ダニの駆除に効果てきめん1位は三菱電機の「AD-X80-T」


三菱電機(MITSUBISHI ELECTRIC)
ふとん乾燥機
AD-X80-T
実勢価格:1万6827円
サイズ:W35.5×D16.1×H31.4cm
重量:3.6kg
乾燥時間:標準約45分/快温約60分
確実にダニに効くのは「AD-X80」です

湿度変化グラフを見ると、表面4カ所の変化の推移は均一です。しかし意外なことに、裏面の乾燥は苦手なのか除湿率は45%程度でした。


さすがマットを使用しているだけあり、サーモグラフィーで見ても表面温度にはほとんどムラがなく均一です。

機能として搭載しているのは、布団全体のあたためではなく「足元あたため」のみだったので、他製品の時間を目安にして「標準コース:30分」で計測。

確実にダニに効くのはAD-X80一択です
マット無しタイプは、手軽に使用できますが、ダニ対策という点では不十分です。ノズル付近は温風であたたまりますが、隅々まで行き渡らず、ダニがそちらへ逃げてしまいます。

手順としては、マットに敷布団を差し込み、マットを巻きつけて掛け布団を載せます。

多少手間はかかりますが、ダニ駆除性能と手軽さはトレードオフの関係にあると考えると納得できます。毎日使うのが目的ではなく、確実にダニを駆除したいと考えるなら、この「AD-X80」がベストといえます。
やや手間はかかりますがコスパ最強三菱電機の「AD-X50-W」


三菱電機(MITSUBISHI ELECTRIC)
ふとん乾燥機
AD-X50-W
実勢価格:6323円
サイズ:W27.5×D15.6×H32.9cm
重量:2.8kg
布団乾燥:冬45分/夏75分
続いて2位に入ったのは同じく三菱電機の製品、「AD-X50-W」です。乾燥面は、1位モデルとほぼ大差はありません。

1位に入ったAD-X80-Tの下位モデルにあたります。しかし湿度変化グラフを見比べてみると、湿度の減少推移にほとんど差は見られませんでした。1位と同様に裏面の乾燥は弱く、除湿率は35%。


温度変化もほぼ均一です。

こちらも1位の製品と同様に「足元あたため」の機能のみだったので30分で計測しました。

こちらのマットは、枕も一緒に乾燥できるポケットもついているので、布団と同時に乾燥させることができます。ほかの製品だと、枕の乾燥は別というものが多いのでとても便利。
マットが小さく端まで届かない…3位は山善の「ZFD-Y500」


山善(YAMAZEN)
ふとん乾燥機
ZFD-Y500
実勢価格:5000円
サイズ:W30.5×D14×24.2cm
重量:2.5kg
乾燥時間:冬60分/夏90分
3位は山善の「ZFD-Y500」。価格帯は2位のAD-X50-Wと同じですが、乾燥速度は低いです。

1位や2位の商品と比べて湿度の減少はやや遅め。


マットなので、さすがに温度のムラはありませんでした。

あたため時もマットを使用する本製品。「冬コース(あたため)30分」で測定しました。乾燥モードと同じように表面4カ所の温度がなだらかにあたたまりました。

使用するときは、マットを布団の間に敷いてからホースを差し込みます。スローペースな乾燥力が残念でした。
本体の大きさでは乾燥力はわかりませんでした

ここからは、今回のテストを終えてからの振り返りです。しばしお付き合いください。

結果的に、一番軽量のアイリスオーヤマのKFK-W1が1位に輝いたことから、多くの機能を充実させるよりも乾燥に着目した製品が強いという結果になりました。

ですが、マット有りタイプは表面の乾燥は得意でも裏面は苦手、しかも裏面の乾燥はマット無しタイプのほうが得意だというのが、今回のテストで分かりました。マット有りが得意なのは、ダニの駆除と考えたほうがいいようです。