長時間パソコンに向かって同じ姿勢を取り続けるのは、肩や首の慢性的な凝りの原因になる。肩や腰が、同じ筋肉だけを使い続けて硬直してしまうからだ。忙しくてデスクから離れられない時期は、自宅でゆっくり「子犬のポーズ」でストレッチをしよう。
LIZ ARCH
首や肩をゆるめる子犬のポーズ
(Photo by JEFF NELSON)
HOW TO
1.四つん這いになり、腰が膝の上、肩が手首の上にくるようにする。次に、足の甲をマットにつけて、つま先を後ろに向ける。左右の足を平行にして腰幅に開く。
2.息を吐きながら、手を前に歩かせる。胸部をリラックスさせて床に近づけていき、額をマットの上におきゆっくり解放する。
3.指を広げて、親指と人差し指をしっかりマットに押しつける。ここで、指の腹をマットに押しつけ、手の中に吸着カップがあるかのように手のひらを持ち上げて、ハスタバンダ(手の締めつけ)を始める。上腕の骨を耳から遠ざけるように外側に回して、肩を広げる。上腕三頭筋が下に向かって腕を包み、上腕二頭筋が上に向かって腕を包むように働いているのを感じよう。腕の筋肉を働かせながら、肘をマットから少し離す。
4.息を吸いながら、腰を背後の壁に向かって引き上げながら、胸部をゆっくり床に近 づけてストレッチを深める。肋骨前部をそっと引き締めるように働かせることにより、背骨を安定させる。腰が崩れないようにする。
5.5〜10回呼吸する間この姿勢を保つ。深い呼吸をして、伸びている部分に呼吸を入 れる。
6.手を元の位置まで歩かせて四つん這いに戻り、ポーズを解く。
効果
・背中の上部、背骨、肩をストレッチする。
・胸部を開くので、縮こまった肩回り、背中まわりまで気持ちよく伸びる。
・慢性的な肩と首のこりを和らげる。
ポーズを取るときに注意したいこと
(Photo by JEFF NELSON)
・肘を外側に広げて、肩を内側に回転させないこと。首と肩のこりの原因になる。
(Photo by JEFF NELSON)
・膝を腰幅よりも広げて、肋骨前部を極端に 突き出さないこと。腰と仙骨が圧迫されてしまう。
ポーズを行うときの注意点
膝に問題を抱えている場合
(Photo by JEFF NELSON)
たたんだブランケットを膝の下におき、刺激を和らげ、膝をサポートしよう。ブランケットを半分にたたみ、さらに2回半分にたたむ。膝の具合に合わせてブランケットの高さを調節する。膝は最も体重がかかる関節のひとつで、信じられないほどストレスや損傷を受けやすい。しかし、膝当てをすれば、痛みを予防し、リスクを軽減できる。
腰に痛みを感じる場合
(Photo by JEFF NELSON)
足の間と太腿の間に1つずつブロックをはさんでみよう。まず、足の間にブロックをおき、土踏まずを丸めずに、親指をブロックに押しつける。次に、別のブロックを太腿にはさんでしっかり締めつける。太腿の間のブロックを背後の壁のほうに押すイメージで行って、太腿を内側に回転させる。こうすると、内転筋が働き、腰と脚のアライメントを崩さずに腰を保護できるだけでなく、ポーズの安定感が高まり構造がしっかりする。