ちょっと前までテレビを買ったら、次に買うのは「レコーダー」でしたが、今はネット動画をテレビで見れるようにする「セットトップボックス」(STB、または、ストリーミングデバイス)です。今回はそんな最新STBのおすすめランキング11選をご紹介します。STBさえあれば定額で動画が見放題。「最近のテレビはつまらない…」とお嘆きの方にこそ必見です!
西尾 崇彦/Test by 家電批評編集部
テレビを見ない人にこそおすすめしたい家電です
今回、4Kテレビを買ったら一緒に買いたいセットトップボックスの最新ランキングを決定するべく、4K対応デバイスを中心に全10台を一斉にテストしました。
さらに、新しく登場したFire Stick TV 4Kを追加テスト。合わせて11製品を比較し、最終的に2019年のおすすめランキングを決定しました。
まずは、家電批評誌で2017年末のベストバイに輝いた「Fire TV Stick」と、4K版の「Fire TV」をセレクト。そして、音声による指示でも操作できる「Apple TV」は4K版とフルHD(以下FHD)版の2台をラインナップ。
また、GoogleのAndroid TVプラットフォームを採用したデバイスは、「ドコモテレビターミナル」「Smart Box」「Air Stick 4K」「U‐NEXT TV」の4台が候補になりました。STBではありませんが、スマホなどの画面をテレビに映し出す「Chromecast」も、4K版と通常版の2台をテストに加えています。
「最新の4Kテレビには、最初からスマートTV機能が搭載されているから、もはやSTBは要らないのでは?」と思うかもしれませんが、テレビに搭載されたスマートTV機能よりも、専用STBのほうが断然サクサクでストレスフリーなんです。
新しくスマートTV機能搭載の4Kテレビを買った人も、これから買う人も、やっぱり次に買うべきはSTBなんです。
【選ぶポイント】は全部で6つ対応コンテンツの数とサクサク感に大きさ差
続いて、STBを選ぶポイントとテストした項目をご紹介していきます。
[STBを選ぶときのポイント①]:
対応コンテンツの多さと「プライム・ビデオ」対応かどうか
STBはテレビに接続して使うものだけに、まずは動画サービスがどれだけ利用できるか(①対応コンテンツ)が重要です。
見放題サービスは草分け的存在のHuluや邦画・国内ドラマが充実しているParaviなどがありますが、質や量に優れ、かつ特にコストパフォーマンスに優れるのはアマゾンの「プライム・ビデオ」です。
月1000円前後のサービスが多いなか、4K対応タイトルもあって年4900円(または月500円)は破格。これで2万本以上あるタイトルが見放題なので、テレビにレンタルビデオ屋が接続されているようなものです。
特にApple TVはプライム・ビデオへの対応で魅力が倍増しました。STBを選ぶ際、プライム・ビデオに対応しているかどうかは、重要なポイントとなります。
また、スポーツ観戦好きなら、国内外の各種スポーツをライブ中継している「DAZN」がおすすめです。
こちらは多くのSTBが対応していますが、スペックが低いとライブ中継のシーンサーチに時間がかかります。また、回線速度が遅い場合も画質の低下や頻繁に読み込みが行われるという問題があります。実際、今回のテストでは、DAZNはデバイスのスペックや通信環境が悪いと再生が途切れがちになりました。
また、4Kテレビに搭載されているスマートTV機能も、DAZNの場合、同様の症状があらわれることがあり、そういうイライラを回避できるのも今回ベストバイに選出したようなSTBを買うメリットと言えるでしょう。
上の一覧が、STBで利用できるおもな動画サービスです。Paraviのような新しいサービスもすぐに利用が可能になります。これらの対応もチェックしていきます。
4K対応デバイスならレスポンスが速い
[STBを選ぶときのポイント②]:
どんなコンテンツでも動作は快適化どうか
「②動作の快適度」は、Apple TV 4kやFire TVといった4K対応デバイスを選べばおおむね満足できます。
4K対応モデルか、非対応モデルかを決める際、「4Kコンテンツを見るかどうか」で判断する人が多いかと思いますが、実際は4Kを見ないという人もできる限り4K対応モデルを選ぶべきです。
なぜならフルハイビジョン(FHD)の4倍の情報量をもつ4K映像を処理するには、高いスペックが要求されるからです。
見た目は変わらないApple TVの2モデルですが、FHD版がリモコンを操作してから動画が再生されるまでにひと呼吸あるのに対して、4K版は即再生が開始されます。
快適度を重視するなら、4000円の価格差も高くはありません。4Kモデルをおすすめします。
映像の美しさはもちろん、動作の速さも4Kモデルのほうが上。Wi-Fiだとデバイスのスペックが高くても映像がHDに落ちることがあるので、有線LANでの接続がおすすめです。
こちら(下)が、Fire TV(4K画質で表示)
こちら(下)が、Fire TV Stick(4K非対応版、FHD画質)
画面中央上に映った客船を拡大してみると、4Kの画質の美しさがよくわかります。
リモコンは“テキスト”ではなく“音声”入力が重要です
[STBを選ぶときのポイント③]:
音声入力が快適にできるか
リモコンの操作にクセがありテキスト入力がしづらいSTBでは、「③操作の快適度」は音声入力がどれだけ実用的かに左右されます。
音声入力が優秀ならタイトルを直接検索できるのはもちろん、出演者やジャンルなどで絞り込みを行い、自分が興味をもちそうな動画を見つけることができます。
たとえばApple TVは「プライム・ビデオでキャストアウェイを再生して」というように、タイトルだけでなくサービスも指定して動画を呼び出せるので、テキスト入力するよりも圧倒的にラクになりました。
音声入力の実用度が分かれ道です。Apple TVは音声で動画のタイトルとアプリを指定すれば、動画の詳細が表示されます。
あとは再生ボタンを押せば指定のアプリで再生できるので、操作がとても快適です。
一方で、テキスト入力はクセがあるため操作に慣れが必要です。Apple TVの場合は…
テキスト入力の場合は「あ」を長押しすると「い~お」が表示される独特の操作になるため、慣れるのに時間がかかります。
一方、Apple TV以外のSTBは…
1文字ずつカーソルで入力するスタイルです。わかりやすいですが入力に時間がかかります。