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甘味は悪者? 知っていれば怖くない「甘いもの」との正しい付き合い方

ヨガ講師でアーユルヴェーダカウンセラーとしても活動するHIKARU先生に、アーユルヴェーダの知恵を借りて、日々を心地よく過ごすヒントを教えていただきます。今回のテーマは「甘い食べものとの付き合い方」について。

HIKARU

「甘酸塩辛苦渋」という6つの味を食事の中でバランス良く摂ることをアーユルヴェーダでは推奨しています。今回は、「甘味」について探りながら、より良いつきあい方を見つけていきましょう。

アーユルヴェーダ

甘味との正しい付き合い方を学ぼう

アーユルヴェーダの古典書には、「口に入れると、脂質・おいしさ・快感・柔らかさによってそれを知られる。またそれは口中に広がって、ねっとりするような感じをあたえる」これが甘味であると書かれています。甘味というと、スイーツばかりを思い出しがちですが、ご飯やうどん、パンなどの主食や、野菜、果物といった食事の中にも甘味はたくさん見つけられます。甘味は体を作る代表的な味であり、身体との適合性をもつ味とも言えますので、敵対視する必要はありません。

甘味を適度に摂ることによって、「寿命を長くする、精神と感覚器官を喜ばせる、体力と美貌をあたえる、口の渇きと灼熱感を鎮静する、皮膚・毛髪によい、声をよくする、活力をあたえる、強靭さをあたえる、衰弱や怪我を癒す」など様々です。「気持ちを良くさせる、満足感をあたえる」という精神的な効果もあるので、ご褒美や手土産にはやっぱり甘味ですよね。

量やタイミングに気を付ければ、甘味は味方に!?

甘味を摂り過ぎてしまうと、「肥満、衰弱、倦怠感、睡眠過剰、鈍重感、消化力低下、呼吸困難、咳、鼓腸、便秘、吐き気」といった不調を起こす可能性があるので、量やタイミングを気をつけたいところです。

甘味は「冷性」というクールダウンさせる性質を持っているので、ピッタ(火のエネルギー)を蓄積しやすい夏にはオススメです。ただし夏は一年で一番、消化力低下の季節ですので、チーズケーキや生クリームでこってりしたスイーツではなく、イチジク、ブドウ、桃などの果物で熱取りをしましょう。夏の果物は甘味があり消化しやすく、かつ水分を多く含むので最適です。デーツも有益な甘味の代表で、滋養と体力を与えてくれて、心臓や血液組織にも用食材。貧血や二日酔いにも効果的なので、夏にはとても良いサポートをしてくれそうです。

また、疲れた時にも甘味は味方になってくれます。移動が続いたり、多くの人と関わった日、不安感が高まっている時などはヴァータ(風のエネルギー)が増大します。そんな時には、甘味のある温かい飲み物がおすすめです。玉ねぎやニンジン、キャベツなどの甘味のある野菜で作ったスープや、黒砂糖やメープルシロップを加えたホットミルクはヴァータを鎮静しリラックスさせてくれることでしょう。ただしダイエット中、呼吸器に問題が出ている時、カパ(水のエネルギー)が優勢になる春は、甘味は控えめにしたい時。そんな時のピンチヒッターは生ハチミツです。クラッカーやバゲッドに生ハチミツをたっぷりのせて黒コショウを一振り。甘いのにスッキリ食べられます。

特殊作用を持つ食材「生ハチミツ」のうれしい効果

甘味の中で生ハチミツだけは、他の甘味とは異なる特殊作用を持つ食材で、体内の余分な脂肪をそぎ落とし、鼻や喉の粘着性をスッキリさせる働きをすると考えられています。一つ注意したいのは、ハチミツは加熱をすると消化しにくく、体の中に毒素を溜めてしまう原因となるので、まずは生ハチミツを購入し、お茶に入れたり加熱調理をしないように気をつけてください。甘味とのつきあい方と共に、夏を迎える準備をそろそろ始めておきたいですね!

ライター/HIKARU
アンダーザライト ヨガスクール リードトレーナー、全米ヨガアライアンスE-RYT500、YACEP認定講師、シヴァナンダヨガ正式指導者。アーユルヴェーダ・ヒーリングコンサルタント(日本アーユルヴェーダスクール認定)、Ayurvedic Medicine Practitioner(米国補完医療大学発行)など各資格を取得。AyuSya(アーユシュヤ)にて、ヨガとアーユルヴェーダの叡智を統合させたセルフケアの方法を提供する。著書に「やさしいヨガ」「HIKARUの楽しいヨガ」「はじめての楽しいヨガ」「はじめてのアーユルヴェーダ」(主婦の友社)

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