おにぎりやパスタ、サンドイッチの具材でおなじみの「ツナ缶」。低カロリーやコーン入りなど、スーパーで買えるツナ缶にも色々な種類があります。今回はツナ缶32製品をプロが食べ比べて、徹底比較してみました。辛口採点した結果を、おすすめ順にランキング形式で発表します。意外と知らないツナ缶の種類や秘密まで、ご紹介しますよ!
増田 乃律子/Test by LDK編集部
ツナ缶は高タンパクでDHAやEPAが豊富な優秀食品です
サラダやおにぎり、サンドイッチの具として人気の「ツナ」。缶詰で手軽に取り入れられることもあって、ダイエット時の食材にしたりと活用法も幅広いです。
ツナ缶は栄養素全体のうちタンパク質を鶏肉と同じ15~20%程度含む高タンパクな食材で、しかも、DHAやEPAなど栄養も豊富。油漬より水煮のほうがカロリーは低いですが、油漬だとリノール酸などもツナと一緒に摂れます。
今回はこの「ツナ缶」を主役に迎え、スーパーで買える様々なメーカーの製品をプロと一緒に食べ比べてみることにしました。
おにぎりやサンドイッチの具材に使うという主婦の方、ダイエット食材に活用している方、健康意識の高い方など、普段からよくツナ缶を購入しているという方、必見です!
意外と知らないツナ缶の原材料や種類の秘密って?
ツナ缶の食べ比べテストを行う前に、まずはツナ缶の基本について学びたいと思います。ということで、ツナ缶についてよくある3つの疑問をご紹介します。
Q1.マグロとカツオ、原材料の違いは?A1.マグロは柔らか、カツオは風味豊か
国内で作られるツナ缶のうち、原料がマグロのものは約7割、カツオは約3割(日本缶詰びん詰レトルト食品協会調べ)。味は少し違い、「カツオの旨みが好き!」という声も。
マグロの特徴は、やや高価だけど肉がふっくらしていて甘みがある万人向けの味。カツオより脂が多めで、肉はふっくら。脂の甘い旨みとコクがあり、苦みはないので、子どもも大好きな万人向けの味わいです。後味は少しまったりした感じ。
カツオの特徴は、安価で身が締まり、独特の苦みが美味しくてダシがきいています。カツオは英語で“skipjack tuna”。身の締まりがよく、マグロと比べると肉質は固め。独特の苦みが旨みをかもしだし、出汁の味わいが深いです。後味はさっぱり。
Q2.魚肉の形状によって違いがあるの?A2.はい、3種類に分類されます
ツナ缶は、魚肉の形状で3タイプに分かれます。ツナ缶を使う料理に合わせて選びましょう。原型を維持するほうが手間がかかるので、ファンシーのほうが高価です。
・フレーク
魚の身をフレーク状に細かくほぐしたもの。ドレッシングやマヨネーズによくなじむ大きさ。細かくほぐされているからお料理に使いやすいです。
・チャンク
チャンクは「塊」という意味で、魚の身をぶつ切りにしたもの。ゴロゴロ感が欲しい炒め物に◎。ぶつ切りだから歯ごたえを楽しめます。
・ファンシー
ブロック、ソリッドとも呼びます。ほぐしていない魚の身が大きい形のまま詰められています。輪切りが丸ごと入ってリッチな気分に。
Q3.ライトミートは低カロリーの意味?A3.いいえ、魚の種類の分類です
「ライト」とは、ビンナガマグロ以外のツナ缶のことで、身の色味が白くないことを表します。カロリーとは無関係です。
ちなみに、日常の会話でツナ缶と同じような意味で使う「シーチキン」は、はごろもフーズが製造・販売しているツナ缶の登録商標ですので、覚えておくとよいでしょう。
魚の風味が生かされたツナ缶は?プロが32品を徹底比較しました
ツナ缶の基本の3つを押さえたところで、早速本題であるテストを行っていきたいと思います。
今回は、スーパーでよく見るものからお取り寄せまで、全32製品の食べ比べを実施。プロ2名にご協力いただき、実際に試食して採点しました。
それでは、早速テストを行っていきたいと思いますが、いったいどのような点に注目して選んだらよいのでしょうか?
選び方のポイントについて、次から詳しくご紹介していきます。
[選び方]魚の風味を損なわない味つけの良さが重要なポイント
ツナ缶を製造しているメーカーも多岐にわたり、数多あるツナ缶。しかし、どういった製品を選べばよいのでしょうか?
選び方のポイントをご紹介する前に、今回テストするツナ缶32製品は、次の3つのジャンルに分けてテストを行います。
ツナ缶は主に3種類に分類されます。基本の味だからこそ違いが出る「油漬」、水煮やオイルなどひと工夫ある「ヘルシー」、お取り寄せや味つきの「変わり種&高級」でジャンルを分類。
検証ではこの3ジャンル全32製品を実食し、各ジャンルごとにベストを決定しました。
選び方のポイントは大きく6つあります。それぞれについて、詳しくご紹介します。
[ポイント1:味つけ]
ツナ缶で最も重要なのは、味つけ。魚の風味を損なってしまうような濃い味つけだとアレンジがしにくいし、味がまったくないと魚のにおいが前面に出てしまいがちです。
魚の風味を生かすような味つけができているツナ缶は大きく加点。食材としての味がまとまっていて、食べた瞬間と後味がよいかを評価しています。
[ポイント2:コスパ]