夏の風物詩の一つ、ビアガーデン。暑い夏に屋外で飲むキンキンに冷えたビールは格別です。イベントが多い夏はビアガーデンなどでお酒を飲む機会が多いため太ってしまうのが心配という方も多いのではないでしょうか?そこで、夏のビアガーデンを思いっきり楽しむための上手なお酒の飲み方を、お酒が好きな管理栄養士が解説します!
夏のビアガーデンで気をつけることとは?
脱水に注意
屋外のビアガーデンは屋内と異なり空調がないため、汗をかきやすい環境です。暑くて汗をかくということは、体から水分が失われているということです。
また、アルコールには利尿作用があり、尿として体から水分が失われてしまいます。特にビールは利尿作用が強い傾向にあります。
暑くて汗をかき喉が乾くためお酒がつい進んでしまいますが、お酒は水分補給にはならず、むしろ体内の水分を減らしてしまうため、夏の屋外での飲酒は脱水を引き起こす危険性が高まり注意が必要です。
失われた水分を補給しないと二日酔いに
口から入ったアルコールは胃で約20%、小腸から約80%吸収され血液に入り、肝臓に送られアルコール脱水素酵素によってアルコールをアセトアルデヒドという物質に分解します。このアセトアルデヒドが体内に残ってしまうことで動悸や頭痛、吐き気などの不快な症状を引き起こします。つまり、二日酔いはアセトアルデヒドという物質が原因です。
体にとって有害なアセトアルデヒドを尿として体の外に排出するためにも、飲酒時には水分補給が欠かせません。
飲んだアルコールの量と同じ量の水分補給を
脱水と二日酔いを防ぐためには、最低でも飲んだお酒と同じ量の水分を補給しましょう。注意することは、水分補給はお茶やコーヒー・紅茶ではなく水を飲むことです。お茶やコーヒー・紅茶には利尿作用のあるカフェインが含まれているので水分補給には向いていません。
アルコールを飲んでいる最中は脱水を感じにくいため、次のお酒に行く前に水を飲む、飲み会の締めに水を飲むなど意識的に水分補給を行いましょう。
「焼酎やウィスキーは太らない」って本当?
蒸留酒は「糖質0」
お酒はビールや日本酒・ワインなどの醸造酒と、焼酎やウィスキー・ウォッカなどの蒸留酒に大別されます。
お酒100g当たりの糖質量を見てみましょう。
・ビール 糖質3.1g
・赤ワイン 糖質1.5g
・日本酒 糖質3.6g
・焼酎 糖質0g
・ウィスキー 糖質0g
ご覧の通り、醸造酒は糖質を含んでいるのに対して、蒸留酒は糖質を含んでいません。そのため、糖質を含まない蒸留酒は飲んでも太らないと言われています。
蒸留酒は糖質0だけど、カロリーは0ではない!
アルコールは1g当たり約7kcalです。糖質・たんぱく質は1g当たり4kcal、脂質は1g当たり9kcalですので、アルコールは脂質の次にカロリーが高いです。
では、お酒のアルコール度数と1杯当たりのカロリー・糖質量を見てみましょう。
・ビール(中ジョッキ1杯500ml) 4~5% 、200kcal、糖質15.5g
・赤ワイン(グラス1杯100ml) 10~11% 、73kcal 、糖質1.5g
・日本酒(1合180ml) 15~16% 、185kcal 、糖質6.5g
・焼酎(グラス1/2杯100ml) 25%、146kcal、糖質0g
・ウィスキー(ダブル1杯60ml) 40%、142kcal、糖質0g
ご覧の通り、アルコール度数の高い蒸留酒はカロリーが高い傾向にあります。
アルコールのカロリーは代謝されやすい
アルコールは他の栄養素のカロリーとは違い、熱として分解されやすく体内に蓄積されにくいと言われています。アルコールを摂取した後に体が熱くなるのは、体内でエネルギーとして燃焼されるためです。
成分値だけで見ると蒸留酒はカロリーが高いのですが、実際は多くが消費されてしまいます。しかし、エネルギーとして燃焼されやすいからといって飲みすぎるのは良くありません。
また、ビールは一見カロリーが低いように思われがちですが、アルコール度数が低いので飲む量が多く、摂取するカロリーも多くなってしまう傾向があります。