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なぜ謝れないの?「我が強い人」の操縦法

ライフスタイル

自分の主張を押し通す、ほかのやり方を認めない、融通が利かない。「我が強い」人というのは“たぶんそんなに悪い人じゃないんだけど、やっかい”なものです。「気が強い」とも「芯が強い」ともちょっと違う、「我が強い」というのはどんな人でしょうか。このタイプの人とうまく付き合っていくために、我が強い人の特徴と操縦方法を、心理学者の平松隆円さんに教えていただきます。

平松隆円(化粧心理学者)

あなたは、協調性がある? セルフチェックしてみよう

次の質問に答えてみてください。あなたは、いくつあてはまるでしょうか。

1.相手が納得するようにきちんと説明する
2.人の意見に合わせることが多い
3.みんなで協力して何かをやり遂げるのが好きだ
4.どんな人に対してもなるべく相手の話を聞く
5.相手のペースに合わせる
6.みんなで何かをやるときには進んで協力する
7.失敗してみんなに迷惑をかけたことに気づいたら、素直に謝れる
8.もめごとが起こらないようにしている
9.その場の状況に合わせて、自分の気持ちをうまくコントロールする
10.自分とはまったく違う生き方をしている人とも仲良くなれる

あてはまる数が多ければ多いほど、“協調性がある”と考えていいかと思います。協調性がある人が、同時に我が強いということはめったにありませんから、あてはまる数が多かった人は、「我が強くない」と考えていいでしょう。

反対に、あてはまる数が少なかった人は、我が強い、頑固な傾向があると思います。できるだけ、意識して人の話を聞くことを心がけてみましょう。

我が強い人の操縦術

では、我が強い人を上手に動かすには、どんな方法が考えられるでしょうか。

まずは、意見や行動を受け入れる

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よほど大きな損失をすることがわかっているのであれば問題ですが、もしささいなことであれば、まずはその人の意見ややり方を受け入れましょう。

というのも、ここで対立が起こる場合、実は“お互いに我が強くて引くに引けない”状況にある、ということも考えられるからです。

たとえば、会社で表計算ソフトを使っているとして、関数を打ち込めば計算も間違えず、速いのにもかかわらず、“入力したあとに電卓で手計算をする”という人がいます。こんな場合、「関数を使うほうが速くて正確ですよ」といってあげたくなりますが、相手からすれば“大きなお世話”ということも。

時間がかかって本人が苦労するのは目に見えてはいますが、大きな支障がないのであれば、好きなようにさせてあげることも大事です。日頃から衝突していると、本当に大きな損失をするのが目に見えているという肝心なときに、聞く耳を持ってくれないということになってしまいます。

否定する言葉を使わない

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そして、もし相手に考えや行動を“変えて欲しい”ときは、否定から入らず、一度相手のことを受け止めてから意見を言うようにしましょう。

「何やってるの?」という言葉から入ったとすると、もう最悪です。これは、接客やコミュニケーションの基本でもあります。

そして最初だけではなく、会話全体を通して、相手を否定する言葉を使わないようにしましょう。具体的には、「でも……」「だから……」「だって……」などの言葉です。

とりあえず最後に「ありがとう」をつけ加える

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これも、我が強い人に限定した話ではないのですが、相手の言動を変えたいとき、必ず最後に「ありがとう」という言葉をつけ加えましょう。

ある研究で、ゴミ箱に「空き缶のみを入れていただきありがとうございます」というメッセージと、「空き缶のみを入れてください」というメッセージをつけた場合、ティッシュを捨てようとしている人の行動がどう変化するかを調べたところ、「空き缶のみを入れていただきありがとうございます」のゴミ箱では、ティッシュを捨てる人が少なくなる、ということがあきらかになっています。

というのも、人は「ありがとう」といった感謝のメッセージを示されると、感謝の言葉を“好意”として受け取り、その感謝にお返しをしようとするのです。そのため、先に「ありがとう」と言われることで、「空き缶のみを入れる」という行動をとり、ティッシュを捨てないという行動につながったんです。

我が強い=必ずしも悪いわけではない

最後にお伝えしておきたいのは、我が強いということが、必ずしも悪いわけではないということです。

さまざまな要因により、人は我が強くなってしまいます。大事なことは、それを理解してあげるということ。そうすれば、人間関係はもっとずっとよくなっていくと思います。

(平松隆円)

※画像はイメージです

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