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管理栄養士が教える。塩分をとりすぎないようにするコツは?

塩分のとりすぎはからだによくないイメージがありますが、一体なにがいけないのでしょうか?無意識のうちに塩分を多くとりすぎてしまう現代の食事ですが、少しでも控えていきたいと思う反面、どうやって食事を工夫したら良いのかわからないことも多いですよね。今回は管理栄養士がコツを教えます。

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塩分の取りすぎはなぜいけないの?

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ナトリウムは大切な栄養素

塩分つまり塩は塩化ナトリウムという物質でできています。このうちナトリウムはわたしたちのからだにとって大切な水の濃度や量を保つはたらきをしており、生命維持にとても大切な栄養素なのです。(※1)

ただし、水の濃度や量を保つために必要と推定される塩分量は1日当たりわずか1.5g。お味噌汁1杯の塩分量がだいたい1.2gなので、普通に食事をしていれば不足する心配はほとんどないと言われています。(※2,3)

ナトリウムは過剰摂取が心配

むしろ心配なのが塩分(塩化ナトリウム)の過剰摂取。

ナトリウムをとりすぎるとむくみや口の渇きといった症状がおきるほか、高血圧・胃がん・食道がんのリスクが高まるという研究報告もあります。(※4)

日本人は塩分を摂りすぎている

近年の日本人の成人1人1日当たりの食塩摂取量は男性で11g、女性で9g程度となっており、以前に比べて減ってきています。しかし、世界的にみてもこの摂取量は高いレベル。

またナトリウムの過剰摂取によっておこるリスクを軽減するため、日本人の食事摂取基準(2015年版)では成人1日あたりの塩分摂取量を男性8g未満、女性で7g未満に抑えるという目標量が設定されています。(※4)

塩分を取りすぎると起こる症状は?

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1. むくみ

塩分に含まれるナトリウムはとても大切な栄養素です。そのためからだは常にナトリウムの濃度を一定に保とうとします。塩分をたくさんとってしまうと、ナトリウムの濃度が高くなるのでそれを薄めようとして水分量も増加傾向に……。

特にナトリウムは細胞の外の水分の濃度や量を調整するはたらきがあるので、細胞の外の水分が増加してしまいます。そして細胞の外の液が増加することがむくみの原因になるのです。(※1)

2. のどの渇き

しょっぱいものを食べた時、のどが渇きをいつもより感じることがありませんか?

これは濃くなってしまった体内ナトリウムの濃度を薄めようとするはたらきのため。こちらもナトリウムを常に一定に保つというからだの働きが関係しています。(※1)

3. 血圧が上昇する

塩分が摂取量が多くなるとなぜ血圧が上がるのかは、まだ正確なメカニズムが解明されていません。ただし、塩分を多くとるとナトリウム濃度を保つために体の水分量が増えることが影響しているのではと考えられています。

濃くなった塩分濃度を薄めるために水分が多くなると、血液も通常より多くなると考えられます。すると多くの血液を送るために心臓の圧が強くなり、血圧があがるのではと言われているのです。(※5)

塩分の摂りすぎが原因になりうる病気とは?

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1. 高血圧

血圧が高い状態が続くと高血圧になってしまいます。高血圧は心臓に負荷がかかった状態。

この状態が続くと、動脈硬化や心臓の肥大がすすみ、さらには心不全や不整脈などの心臓や循環器の病気のリスクになってしまうこともあります。(※6)

2. 腎臓病

塩分を摂りすぎると、体内のナトリウム濃度を保とうとして尿中にナトリウムが排出されます。ナトリウムの一部は尿中でカルシウムに置きかわるのですが、尿のカルシウム量が増えすぎると固まってしまい腎結石になることがあります。

また腎臓はとても細い血管からできているため、塩分の摂りすぎによって血管がダメージをうけてしまうことは腎不全の要因とも言われています。(※6)

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