ひとつ、ふたつ、と集めるうち、気づけばたくさんの数に囲まれて暮らしている。人にはそれぞれそんな「何気ないコレクション」がある気がします。今回ご紹介するのコレクターは、同僚のきでりんさん(男性)。いつもシャツの胸もとにはユニークなブローチやピンバッジが、ちょこんと添えられています。並べてみると、こんなにたくさん。
気づけば増えているコレクション
いつもシャツの襟や胸もとに、思わず「これは、なんですか?」と尋ねたくなるような、ユニークでかわいいワンポイントを身につけている、同僚がいます。デザイナーのきでりんさん。「これはね、」とひとつひとつ説明してくれるので、うれしくなってしまいます。
こうして見てみると、どうぶつがいっぱい。みんな「生き物」ですね。
きでりん: そうそう。どうぶつが好き、っていうのももちろんあるけど。樹脂だとか金属だとか、土だとか。そういう無機質な素材に、作家さんの創造力と手仕事が加わることで、そっと命が吹き込まれたみたいに感じて、なんか、おもしろいなあって。
不思議と、どれも本当に生き生きして見えますもんね。
きでりん: それで気に入ったものがどんどん増えて。メガネトレイに入れてたんだけど、もう溢れ出してきちゃった(笑)。今日持ってきたのは、ごく一部なんです。
ピンとブローチ
ピンバッジが7個。ブローチとピンバッジって、使い方に違いはありますか?
きでりん: つける位置が変わるかなあ。ブローチは、シャツやスウェットの胸もとにつけることが多いです。ピンズ(ピンバッジ)は留め具が分離して突起してるから、シャツの胸にはちょっとつけづらくて。ジャケットやコートの襟につけたりね。
そうか。襟につけるのもかわいいですよね。サイズも小さいものが多いですけど、どれも目を惹くデザイン。
きでりん: 《我が子を食らうサトゥルヌス》まである。
これは、怖カワイイ。
触れたくなる、素朴なぬくもり
木製もたくさんありますね。「木」の良さってなんでしょう。
きでりん: なんと言っても軽いのがいいですね。Tシャツに付けても、生地を傷めにくくて。あとは、木製ならではのぬくもりもやっぱり好きですよ。
独特のやさしい風合いがいいですね。
糸で紡ぐ奥深さ
技法はそれぞれだけど、刺繍がほどこされたものも多いですね。
きでりん: 糸が織りなす「やわらかさ」みたいなのもいいですよね。技法はもちろん、束ねる本数だったり、色の選び方、土台の布目の細かさによっても、グラフィカルな表現に違いが生まれる。同じ色の糸でも、束ねる本数が違えば立体感に差が出るし、縫い方を変えて輪郭を表現することもできるしね。
奥が深い。きでりんさんも、刺繍されるんでしたっけ?
きでりん: 自分でやってみると、すっごく難しい(笑)。それぐらい繊細なものだから、作品を見て「すごいなあ」と思うし、魅力的ですよね。