いよいよはじまった五輪イヤー。華やかな話題が先行する一方で、増税の影響を感じながら倹約生活をしている方も少なくないのでは。そんな2020年の暮らしを少しでも楽にしたいなら、どんな節約術に取り組むべきなのか。節約アドバイザーの丸山晴美さんに、今年の節約トレンドを訊きました!
節約術、2020年のトレンドは
2019年10月1日の消費税増税からそろそろ4ヶ月。家計への影響が実感として表れている頃ではないでしょうか。
物価は上がっても所得は上がらない……ひどく世知辛いご時世ですが、上手に節約することで、少しでも余裕のある暮らしを実現していきましょう。
では、今年はどんな節約術に取り組むと、効果的に家計を楽にできるのか。節約アドバイザーの丸山晴美さんに、2020年の節約トレンドを訊きました。
2019年の節約トレンドを振り返る
丸山晴美(まるやま はるみ)さん節約アドバイザー / ファイナンシャルプランナー / 消費生活アドバイザー
――まずは、「節約術」をテーマに昨年を振り返っていただけますか?
2019年の大きな出来事といえば消費税の増税です。軽減税率が導入されて、テイクアウトでは8%、イートインでは10%という税率になりました。
たとえば食費以外の生活費が20万円という家庭があったとして、2%分の増税は、単純計算で4000円分税負担が増えたということです。4000円というと、お米なら10kg分。お米10kg分がなくなってしまったら生活への影響はありますよ、やっぱり。
使えるお金が減ったことで、できるだけ手作りしよう、自炊しようという風潮が強まりました。これ、外食産業には大きな打撃だったようで、外食離れが進み、廃業するところが増加しています。現在、キャッシュレス還元事業では、中小小売店などの登録事業者でのキャッシュレス決済なら2%なり5%なりの還元が受けられますが、それでも世間は消費には慎重傾向。
そんな中でも熱かったものをひとつ挙げるなら、フリマアプリです。個人間売買は原則消費税がかかりませんからね。税金の負担を減らしたい、欲しいものを安く買いたい、不用品をお金に変えたい……。アプリ自体は以前から存在していましたが、そういうニーズの追い風を受け、利用者が一気に増えました。
QRコード決済やスマホ決済が注目を集めた年でもありましたね。サービスを提供している各社がポイント還元などを謳い、しのぎを削った。これも印象的なトピックです。
節約術をテーマに2019年を振り返るなら、下味冷凍も忘れてはいけません。共働き家庭の悩みの種、食費を抑えるための好手である下味冷凍は、クックパッドの「食トレンド大賞」にも選ばれました。
2020年の節約トレンド① ポイ活
――そうした年を経て始まった2020年、トレンドになりそうな節約術は?
まずはポイ活。買い物によって発生するポイントを重ねどりして、1円分でも多く手元に残そうという活動です。節約術としてはそう新しいものではありませんが、実践している人がかなり増えました。
私も買い物するときは常に重ねどりを意識しています。近頃活用しているのは「Kyash(キャッシュ)」というサービス。
丸山さんが所持しているKyashのカード
これ、誰でもすぐに発行できるプリペイド式のVisaカードなんですが、手持ちのクレジットカードやデビットカードを最大5枚まで登録できて、支払いに応じて利用したいカードに切り替えることができる。私の場合、リクルートカードからここにチャージして使っているんですけど、このカードで買い物すれば、Kyashで1%、リクルートカードで1.2%で、計2.2%のポイントが付いてきます(※2020年1月15日現在)。
それをした上で、Pontaポイントなり、Tポイントなり、dポイントなりのショップのポイントを付けてもらう。さらに、ネットショッピングならポイントサイト(※)を経由することでそこのポイントもECサイトが設定しているポイントも手に入ります。ポイントの3重どりどころか4重どり、5重どりも簡単にできしまうわけですね。
※インターネット上で何かしらのアクションを起こすことによって、ポイントが獲得できるサイト。「Rakuten Rebates」「ポイントエニタイム」「POM」などが有名
ですから、今後は何を買うにしても、シンプルにお金を払ってしまうのではなく、何かしらを通して買うといいと思います。私自身、今はほぼすべての買い物がキャッシュレス払い。そうした方が断然お得ですから。
有益なものはどんどん取り入れるべき
これはポイ活にかかわらずですが、より多くの情報にふれて、有益なものはどんどん生活に取り入れていってほしいですね。
たとえば格安SIM。安くなるのはわかっていても、どの業者を選んだらいいのかわからない。手続きが面倒くさい。なんとなく怖い。そういう人がたくさんいるんです。でも、手間を惜しんだり恐れたりしていると、せっかく費用を抑えられるチャンスを逃してしまう。そこはやはり勉強しないとダメ。
それができる人は余裕のある生活へ近づいていけるでしょうし、できなければ出費ばかりが重なる生活を続けなければならない。言い方は悪いですが、そういう時代になってしまったということです。