「なんでもそつなくこなすことができるのに、これといって突出した能力がない」。そんな風に悩んでいませんか? 今回は心理カウンセラーの笹氣健治さんに「器用貧乏」の可能性を広げる方法を教えてもらいます。
世の中には、どんなことでもスンナリこなしてしまう器用な人がいるものです。
なんともうらやましい限りですが、中には器用すぎるあまりいろんなことに手を広げてしまい、何かひとつの分野で成功を収めることのできない人もいます。いわゆる「器用貧乏」と呼ばれる人です。
もし「私も当てはまるかも」と思ったら、ぜひこのコラムを読んで今後の行動に役立ててください。
器用貧乏とは?
器用貧乏を辞書で引くと、以下のように解説されています。
「なまじ器用なために、あれこれと気が多く、また、都合よくつかわれて大成しないこと」(引用:広辞苑第6版)
器用な人になるのは憧れますが、「器用貧乏」にはネガティブな印象もあります。「貧乏」という言葉がつくかつかないかで大違いです。
もしかすると、「あなたはなんでもできて、器用でいいですね」などと言われても、喜んでいる場合ではないかもしれません。
裏では、「でも、何かが突出してすごいわけではないんだよね」と、残念な人だと思われている可能性もあるのです。
器用貧乏な人にみられる特徴
では、器用貧乏な人とは、具体的にどのような人なのでしょうか? その特徴や行動パターンをチェックしておきましょう。
1.平均以上の能力がある
器用と言われるくらいですから、やはり生きていく上で必要最低限の能力は持ち合わせています。
よほどの専門性や経験が必要なスキル以外のたいていのことに関して、平均以上の能力を発揮できます。
また、コミュニケーション力も比較的高い傾向にあり、手先も器用。頭の回転が速く、ダンドリを考えて効率よく仕事も処理できます。
したがって、周囲からは「なんでもできる有能な人」と見られています。
2.依頼された仕事を断らない
お願いされると、なんでも喜んで引き受けます。頼られることが嬉しいのです。
プロジェクトのリーダーを任される、トラブル対応の処理を頼まれる、といった難しい仕事ほど、「待っていました!」と言わんばかりにモチベーションが上がります。
3.広く浅く手をつける
好奇心が旺盛で、いろいろなことに興味を持ちます。
そのため、知識の幅はどんどん拡大していくのですが、少々飽きっぽい面も。そこそこ理解できるようになると満足してしまい、興味の対象がすぐ別のことに移り変わります。
その繰り返しで、知識もスキルも「広く浅く」となってしまうのです。
4.成功願望が強い
つい広く浅く手をつけてしまうのは、本当にやりたいことが見つかっていないためかもしれません。
「自分にしかできないこと、自分の能力が十分に発揮できることを見つけたい」と心のどこかで思っていて、それをずっと探し続けているのです。
そして、「自分の能力を発揮して成功したい」という成功願望も強く、確実に成功するためには自分にふさわしいことを見つけなければならないと思っています。