心がざわついたり、緊張したり……。どうしても気持ちが落ち着かないときってありますよね。そんなとき、どう対処すればいいのでしょうか? 心理カウンセラー・浅野寿和さんに気持ちが落ち着かない理由と、解決方法を教えてもらいました。
不安や緊張、イライラなどで、自分らしくいられないときってないでしょうか。
今回は気持ちが落ち着かない心理的な理由から、気持ちを落ち着かせる方法までお伝えしたいと思います。
気持ちが落ち着かなくなる3つのきっかけ
気持ちが落ち着かないと感じる理由には「怖れ」が大きくかかわってきます。具体的な例とともに、どんな時に気持ちが落ち着かなくなるかを見ていきましょう。
(1)体調が崩れているとき
病気やホルモンのバランス、疲労など、身体のバランスが崩れているとき、気持ちも不安定になります。
良くならなかったらどうしよう……と怖れたり、無理を重ねることで気持ちも落ち着かなくなるのです。
(2)不安なことが起きたとき
不安なことが起きると、自分の中でなかったことにしようとすることがあると思います。それで対処できればいいのですが、それでも不安が消えないときに気持ちが落ち着かなくなります。
この深層心理にも怖れがあり、自分はこれからどんな大変な目に合うのだろうと感じていることが多いです。
(3)隠しておきたい気持ちがあるとき
例えば、自分自身のコンプレックスで人に言いづらいことがあったり、嘘をついたときなど、自分を隠したい気持ちがあると落ち着かなくなります。
このとき、深層心理では罪悪感を覚えていて「私は人を騙していて、いつか明るみになり罰せられるかもしれない」という怖れを感じているものなのです。
気持ちを落ち着けられない3つの理由
一度、気持ちが落ち着かなくなると、平常心に戻すのはなかなか難しいもの。なぜ、気持ちを落ち着かせることができないのでしょうか。
(1)自分の思い通りにならないから
人は自分の価値基準で物事を見ています。自分の理解できることに囲まれていると安心しますが、わからないことに囲まれると怖れを感じ、安心できないのです。
つまり、自分の思うように物事が進まず、わからないことが増えると、不安や怒りが入り混じったような感覚を覚え、気持ちが落ち着かなくなるのです。
(2)人の目が気になってしまうから
自意識という言葉があります。
自意識とは「人と自分が違う」と感じていることを指します。
何かしらの事情で「自分は人と特別違う(劣っている、魅力的ではない、頑張れていない、自分を隠しているなど)」と感じていると、人と接する際に「怖れ」を感じて、気持ちが落ち着かなくなります。
(3)怖れや緊張を抱え込んで我慢してしまうから
怖れや緊張を感じる事情は人や状況によってさまざまです。つまり、怖れや緊張と付き合う方法もさまざまであるということです。
しかし、上手な付き合い方がわからず、怖れや緊張を感じると、つい我慢して抱え込んでしまうことも多いようです。そのまま我慢を続けていれば気持ちも落ち着きませんよね。