「スチーム式なら、外がべったりするのでは?」と思われるかもしれませんが、外のサクサク食感には秘密がありました。
バルミューダの加熱を観察すると、「庫内を水蒸気で満たす」→「徐々に加熱してパン内部に火を通す」→「最後の1分弱で一気に加熱して表面を焼き上げる」という3ステップに分かれるようでした。
最後の1分間で「ジュワーッ」と焼き目をつける時間が、表面のサクサク感をアップさせる秘訣といえそうです。
また、焼きムラについてもバルミューダは優等生です。3回連続で焼いてみました。
2回目の裏側に多少焼きムラができたものの、1回目と3回目の焼き色はほぼ一緒。焦げることもなく、かなり優秀です。
お手入れは思ったほど手間に感じませんでした。
パンくずトレーは割と引き出しやすく、簡単にお掃除できます。ただ、注意していただきたいのは給水口。
お手入れを怠ると水垢が残ってしまいます。こまめに手入れするといいでしょう。
なお、実際にトースターを使う時のことを考慮して、食パンの他にも、冷凍した食パン、クロワッサンでも焼いて実食してみました。
冷凍した食パンの場合、最高の焼き色になったのは4分40秒。トーストの表面はクラム(内側の白い部分)、クラスト(耳)ともにサクサクしていて香ばしい焼き上がりになりました。
冷凍によって水分が減った状態から焼いてもパサパサにならず、甘みと酵母の香りが感じられ美味しいトーストに。
またクロワッサンモードで焼いたクロワッサンは、まさにパイのような歯ごたえになりました。外側はやや硬めのサクサクに、内側はむっちりとしたパイのような層が感じられます。
好みに応じて、水分を抜くために数分庫内に放置してもいいかもしれません。
総じて、サクサクッとした食感を好む舌を満足させるのは、バルミューダのトースターといって間違いはないでしょう。
奇跡の「サクモチ食感」ヘルシオ グリエ AX-H2-R
[加熱方式:加熱水蒸気]
シャープ(SHARP)
ヘルシオ グリエ
AX-H2-R
実勢価格:1万9800円
サイズ・重量:
外形寸法:H218×W412×D315mm
庫内有効寸法:H76×W259×D230mm・約6.4kg
加熱方式:過熱水蒸気/パワー3段階(弱・中・強)
タイマー:15分
電源:AC100V、50-60Hz共用
定格消費電力:1410W
付属品:焼き網、コーティングトレイ、メニュー集
バルミューダと並んでオススメの製品は、「ヘルシオ グリエ」。
100℃以上の「過熱水蒸気」で調理する「ヘルシオ」シリーズの中でもトーストや冷凍食品、お総菜の温め直しなどに特化しており、至高のサクモチなトーストが焼けるトースターです。
[評価]
外サク
36/40点
中モチ
36/40点
ムラ
29/30点
片付け・掃除
23/30点
操作性
27/30点
水分蒸散率
7.6%
合計
151/170点
熱効率と加熱性能を重視しているためか、庫内は外見よりも狭めの構造になっています。
食パンをピッタリ2枚並べるのが限界です。
水タンクの容量は最大40cc。焼き上げ後に計量したところ、トーストでは20.5cc、冷凍トーストでは残り21.5cc、クロワッサンでは22.5ccの水を使っていることが判明しました。
大量の水で過熱水蒸気を発生させて焼き上げることで、外はサクサクで中はモチモチの食感を実現しているようです。写真のように、湯気がしっかり立ち上ります。
そのおかげか、水分蒸散率は最高数値を記録しました。
トーストを10回焼いた場合、パンの重さの平均値は焼く前60.352g、焼いた後55.730g。これにより7.6%の水分蒸散量となり、今回テストした15機種で最も水分が残っていました。
この水分蒸散率が中モチ度と比例しているようで、表面の焼き目はカリカリなのに、中は感動を覚えるほどのモチモチ感が堪能できます。
さらに、焼き目のムラも優秀でした。
3回連続焼きしたところ、2枚めのパンは少し表面が黒めに仕上がりましたが、これぐらいは許容範囲。大量の過熱水蒸気が立ち込めた状態で焼くため、多少サーモが効きにくくなりますが、ムラは少ない印象です。
また、ユーザーの清潔志向にも気を遣っていて、掃除のしやすさは合格点でした。