日程調整がスムーズに運べば気持ち良く仕事ができます。そのためには「都合」を尋ねる表現を上手に使いこなしたいところ。「都合がいい」の意味、「都合」を尋ねる場合の敬語表現、都合を聞かれた場合の感じの良い答え方について、ライティングコーチの前田めぐるさんに教えてもらいました。

「都合がいいかどうか」――ビジネスにおいて相手と自分の都合を支障がないよう調整することは、意外と気遣いを要します。
どんな聞き方なら感じが良いか? 都合がいい時、悪い時の答え方はどうすればいいのか? 順に見ていきましょう。
「都合がいい」の「都合」とはどんな意味?
「都合」とは、「全て」を意味する「都」に「合」を合わせた熟語で、次のような意味があります。
(1)合計。ひっくるめて。
(2)他の事柄との関係。なりゆき。具合。
(3)やりくり。てはず。
(4)具合の良いさま。具合の良い場所。
(5)要するに。結局。
(岩波書店『広辞苑』)
「都合がいい」は、(2)の用法です。「他の事柄との関係がうまくいく。なりゆきや具合がいい」という意味ですね。
また、予定や予算などの「都合がつく」は(3)の用法です。
相手に「都合」を尋ねる場合の敬語表現は?
目上の人の予定を尋ねる場合、「都合」だけでは失礼にあたります。敬意を表す接頭語「ご」をつけた「ご都合」を使いましょう。
この「ご都合」を他の言葉と組み合わせて尋ねるわけですが、先に希望を伝えて聞く、相手の予定を最優先するなど、場合によって表現が変わります。
(1)「ご都合はよろしいでしょうか」

「都合はいいか(よいか)」を丁寧語にした「ご都合はいいですか(よいですか)」は間違いではありませんが、ビジネスではややカジュアルな印象ですね。
そこで「いいか」を丁寧に言う「よろしいですか」「よろしいでしょうか」に変換しましょう。
「よろしい」には「差し支えない、認める」の意味があります。承認を求める表現なので、相手を尊重する気持ちがより伝わります。
例文
・「来週月曜にお伺いする件ですが、何時頃ならご都合がよろしいでしょうか」
・「来月の面談もいつも通り第2水曜日で予定しておりますが、ご都合はよろしいでしょうか」
・「週末までにご提案をいただければありがたいのですが、ご都合はよろしいですか」
(2)「ご都合はいかがでしょうか」
