ビジネスシーンでよく目にする「ご担当者様」という言葉ですが、使い方によっては二重敬語になってしまうので注意が必要です。今回は「ご担当者様」の意味と正しい使い方をビジネスコミュニケーション指導に従事する大部美知子さんに教えてもらいました。
(4)社内で他部署の担当者に連絡を取る時
社内でも自分の所属している部署以外に対して使うことが可能です。
その場合は、「ご」の接頭語を外して「○○担当者様」でも大丈夫です。
「ご担当者様」という言葉の正しい使い方
「ご担当者様」という言葉を使う際は以下の点に注意してください。
(1)二重敬語に気を付ける
「ご担当者様」は相手が1人の場合に使い、宛名が複数人の場合には、「ご担当者様各位」でなく「ご担当者各位」または「ご担当各位」を使います。
「ご担当者様各位」が誤りである理由は、「各位」は「様」と同じ敬称であり、「(ご担当者)様+各位」では二重敬語になるからです。
ただし、「お客様各位」は、「お客各位」と表現すると敬意が伝わらず違和感があるため、例外として使用可能です。
参考「正しい敬称」
ここでビジネスの場面で使用する敬称を整理してみます。誤った敬称を付けたり、二重敬語にならないように気を付けましょう。
・御中→会社や団体
・様→個人名
・殿→役職(課長殿など)や個人名(目上には×)
・各位→所属するメンバーの各個人宛
(会社や団体に対する敬称)
誤)
○○会社様
正)
○○会社御中
(個人に対する敬称)
誤)
総務課長御中
田中総務課長殿(役職だけでは二重敬語ではないが、個人名がつくと二重敬語になるため誤り)
正)
総務課長殿
総務課長田中殿(相手が自分より目上ではない場合)
総務課長田中様(相手が自分より目上の場合)
(所属するメンバーの各個人に対する敬称)
誤)
関係者様各位
正)
関係者各位
(2)分かりやすいように配慮する
「ご担当者様」を使用する時には、「○○株式会社 経理課 ご担当者様」「株式会社○○ 人事部 採用 ご担当者様」など、会社のどこの部署に所属している人なのか(必要に応じて業務担当まで)を指定しておく必要があります。