今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
重いものを軽くする
今週のさそり座は、「ちょうどよく力の抜けた“かるみ”を目指していくような星回り」。
あまりにも技巧的で観念的に過ぎる句に対して、かつて芭蕉は「おもみ」という言葉を使って批判したことがありましたが、「老人が被つて麦稿帽子かな」(今井杏太郎)という句はその対極に位置づけられるでしょう。
老人がかぶっているのは何の変哲もない「麦稿帽子(むぎわら)」。「老人」もただそこにいるといった感じで、特別気取った風でもなく、「被つて麦稿」が八字で字余りであるのも、ちょっとしたぶかぶか感がして、ぴったりであるよりも、この「老人」には似合っているでしょう。
今週のあなたもまた、できるだけ不要なものをそぎ落としていくことに力を割いていくべきです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
身の内の音楽を鳴らせ
今週のいて座は、「堅苦しさからの完全なる解放」がテーマになっていきそう。
セリーヌの『夜の果てへの旅』の特徴と言えば、つんのめるほどのスピード感で連射される罵詈雑言です。
植民地へ行っては蔓延する搾取と人間の愚かしさに毒を吐き、デトロイトの自動車工場では長時間の過酷な流れ作業に人間性まで抑圧される姿を見て呪詛し、帰ってきたパリでは虫けらのような人間の姿をやっぱり呪いまくる。
ただ、それだけ世の中を呪っている小説なのになぜか反発を抱かず、読むのをやめられない魅力を感じてしまうのは、主人公が自分自身もダメ人間の代表だという実感があるからでしょう。今週のあなたもまた、とことんジタバタして蠢(うごめ)いていくべし。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
休止符を打ち込んでいく
今週のやぎ座は、「ユーモアでもってひょいと力を抜いていくような星回り」。
皮肉にもうまくいっている時ほど人はつまずきやすく、思い上がりや傲慢さほど人を狂わせてしまうものはありません。しかし一方でそうした人間やその運命の自然なリズムを狂わせる要因をあえて意図的に用いることで、人類は宗教を生み出してきました。
つまり平穏な生活が行き詰まってきた時こそ、「夜明かし、昼夜の逆転、断食、性的禁欲など」によって人類は昔から狂ったリズムを整えてきた訳です。
今週はあえてそうした「休止符」を日常に打ち込んでいくには、ちょうどいいタイミングと言えるでしょう。