今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
流れと転変
今週のさそり座は、「命を担保にして流れる風景と向き合っていくような星回り」。
江戸時代の人は家のそばから猪牙舟(ちょきぶね)といって、屋根なしの小さな舟に乗って移動するのが基本でした。水の動きは自然を目に見えるものとして感じさせてくれる大切な要素でしたが、それを失ってコンクリートやアスファルトに囲まれるようになった現代人は、かなり想像力が損傷してしまったのではないかと思われます。
そして、世界を安定した動かないブロックに変えてしまった時代の流れに最も反する本質を持っているのが水の星座の人たちであり、今こそ足もとから捉えどころのないものを取り出そうとしているのがさそり座なのだと言えます。
今週のあなたもまた、安定した陸上にただいるだけの見方から、不安定な流れのなかで水の流れとともに動いていくような見方へと、自分の感覚のモードを切り替えていくといいでしょう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
あぶない橋をわたっていくこと
今週のいて座は、「自分の生き方そのものへ、必死に問いかけていこうとするような星回り」。
「短夜や乳ぜり泣く児を須可捨焉乎」(竹下しづの女)という句には漢文調の表現が使われており、「捨てることができようか、いや、絶対にできない」という強い思いが込められています。
忙しく辛い中でも、子を愛し、家を守るよき主婦でありたい自分と、古い価値観を打ち捨て新しい時代を生きる自立した女性として生きたい自分との激しい葛藤が心の叫びとなって表現されたのかもしれません。
今週のあなたもまた、自分を価値づける新旧の考え方がぶつかりながらもも、それが時代に引っ張られつつあるのを感じていくことができるはず。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
さらば正義、さらば勧善懲悪
今週のやぎ座は、「悪党を倒すための正義論から脱していこうとするような星回り」。
正義の味方は悪党をやっつける存在であり、善行を施し人々に愛されるべき存在として信じられてきました。しかし大人になってみると正義の味方はヒーローとしてのみこの世に存在している訳ではなさそうですし、悪党らしい悪党も滅多に存在しないということを痛感してくるはず。
つまり、悪党にも彼らなりの大義があることは珍しくなく、また生育状況の苦労や社会の偏見や不平等などを鑑みると、悪とは個人ではなく社会に帰せられるべきではないかと思い至ってくるのです。悪を裁くための正義ではなく、むしろ悪の中の正義を育て、善を呼び覚ますための正義をこそ私たちは念頭に置いていくべきでしょう。
今週のあなたもまた、単純な勧善懲悪を超えたところに自身の正当性を求め、立証していくことがテーマとなっていきそうです。