なぜ人の懐に入るのが上手いのか?
実は、相手の懐に入ることが上手い人は相手の「ある心理」を満たしたり、刺激したりしているからこそ好かれるのです。それはどういった心理なのか、深堀りしてみましょう
(1)承認欲求を満たしている
懐に入るのが上手な人は、上述した通り相手の話を共感しながら聞き、短所を長所に変換して伝え返すなどのコミュニケーションを取っています。それにより、相手は「自分は承認されている」と感じ、「承認欲求」が満たされていくのです。
(2)好意を伝えている
好意の返報性とは、人から何かをしてもらったらお返しをしたくなる……というもので、「自分に好意を持っている人には好意を抱きやすくなる」という心理状態を指します。
懐に入ることが上手な人は、この好意の返報性を利用して自分の好意を積極的に相手に伝えています。
(3)ミラーリング効果を使っている
ミラーリング効果とは、「自分と同じ言動をする人には好感を抱きやすくなる」という心理効果です。
例えばLINEの文章の長さを同じ程度にしたり、絵文字やスタンプを使用する頻度を合わせたりなど、ほんのささいなことでも生じる心理です。
懐に入ることが上手な人は、この「自分と一緒!」というミラーリングの心理を相手に持たせる演出に長けています。
(4)恐怖心を少しだけあおる
恐怖は与え過ぎてしまうと相手が離れていったり、相手を支配してしまったりすることになってしまいます。
懐に入ることが上手な人はこのさじ加減が絶妙で、例えば相手を不安にさせるようなことを言った後に「でもこうすれば大丈夫」といった知恵をアドバイスする、など恐怖を適度なスパイスとして活用します。
人は自分の感情に振り幅を与える相手に興味を持ちます。この場合は不安から安心という感情の振れ幅を利用して、良い方向に自分への関心を引き寄せるのです。持たせるにがあるほどできるのです。
上手く懐に入れるようになる5つのコツ
ではここからは、懐に入るのが上手な人の特徴をもとに、自分たちでも参考にできるちょっとしたコツをお伝えしていきます。
(1)相づちに「なるほど」を使う
「なるほど」という言葉を相づちとして使うことをおすすめします。何を言われてもまずは「なるほど」と言うと、言われた相手は「気持ちを受け止めてもらった」という気持ちになります。
ポイントは、ぶっきらぼうに言わないこと。また、目上の人には「おっしゃる通りです」など言い換えることを忘れずに。
(2)相手の趣味嗜好を知る
相手の好きなもの、興味があるものを把握しましょう。特に懐に入ることをビジネスに生かしたい人は、お客様の趣味格好を記録しておくくらいの貪欲さを持つといいですね。