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「転職したい」と思ったら考えたいこと

ライフスタイル

何となく転職したいけど、どうすればいいのか分からない。いつ転職したらいいのか、誰に相談したらいいのか、そもそも転職すべきなのか……。そんな悩みに、外資系OLコラムニストのぱぴこさんが答えます。

「転職」という選択肢は、ここ数年でずいぶんと一般的になりました。私の設置している質問箱にもよく転職に関する相談をいただいており、キャリアの悩みの中でも特に多いように感じます。

今回は転職したいけど迷ったり悩んでいる人に向けて、よくある悩みとその解決策についてお伝えしたいと思います。

転職の悩み1:転職のタイミングっていつ?

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私の体感値だけでは説得力がないので、データを調べたところ総務省の2019年度労働力調査 で、2019年の転職者数が過去最多を記録したことが分かりました。

総務省の2019年度労働力調査

統計局HP上で同調査結果のサマリーが記載されています。

●2019年の転職者数は351万人と過去最多
●「より良い条件の仕事を探すため」に前職を離職した転職者が増加
●従業者規模の大きい企業などで転職者が増加
●正規雇用間の転職者が増加
●「非正規雇用から正規雇用に転換した者」が「正規雇用から非正規雇用に転換した者」を8年連続で超過

昨年度までは転職マーケットが盛況だったこともあり、「より良い条件の仕事を探すため」かつ正規雇用間の転職者が増加と非常にポジティブな結果です。実際、私の周囲でも数名が30歳を超えた「初めての転職」に踏み切っていました。

結婚・出産・転職などの周囲のラッシュは唐突に発生します。自分事として捉えていなかった変化やイベントが、急に輪郭をはっきりさせて迫ってくる感じ。かつ、それを手に入れないと「遅れている」と感じて不安感につながります。

このように「周囲の変化や社会情勢」からの焦燥感、不安感を感じて、やみくもに動くのはおすすめしません。

正直、昨年度までは転職マーケットが好調過ぎて、あまりよく考えずに目先の給与UPに釣られて外資系企業への転職を決意、検討する人が多過ぎて相談件数に気絶しそうになりました。

なお、転職活動は時間を使います。コロナ禍によりリモート面接も広がり定着する可能性もありますが、移動を伴う面接は時間捻出との戦いです。転職を決めたら、腹をくくって時間を作るか、エアポケット的に発生する暇な時期に詰め込むかしかありません。

転職タイミングとしては、「案件が終わった」「大きな仕事が終わった」「予定されていた仕事が消滅した」などの環境変化が自分のキャリアを考えるきっかけになり、かつ転職活動時間が作れるようになったという事例は多いです。

転職の悩み2:エージェント? 誰に相談すればいいの?

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外資系所属だとプロパー社員10年以上はレアキャラです。ボスとその配下の部下ごと他社への大移動することもあり、周囲も自分も転職経験者なことが多いため、相談先は無数にあります。そして「類は友を呼ぶ」ので、転職者の周りには転職者ネットワークが自然とできます。

しかし、転職が選択肢として一般化したのはここ数年。世間的にはまだ転職への抵抗感があることも否めません。私の質問箱への転職相談の多さでも感じます。

インターネット以外の現実的な相談先は、転職エージェントになる可能性が高いです。私も最初の転職時は、「何をしたらいいのか分からない!」「とりあえず転職エージェントに相談だ!」「転職求人サイトに登録だ!」と戦略なき行動をしました。

転職解像度が低いため「無料だしとりあえず相談」とキャリアエージェントに「よく分からないんですけど……」「求人どんなのがありますか……?」とナメくさった相談をします。

不動産仲介業者への相談と同じで、エージェント側も仕事なので「見込みが低そうで要件整理に労力が掛かりそうな人間」に本気で取り組みはしません。彼らの仕事は求人者を求人企業に入社させることだからです。何も決まっていないキャリアの設計相談にはまず乗ってくれません。

彼らの報酬は紹介した人材が入社した際の紹介料で成り立っているのです。もちろん、商売と求職者のキャリアを高いレベルで両立させてくれる最高のエージェントも中にはいます。しかし、ゆるふわ相談で行って神様レベルの担当者を捕まえるのは宝くじに当たるようなものです。

転職の悩み3:転職したいけどスキルがない、資格がない、時間がない

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相談先がないことに並ぶ悩みは「自分には何もない」というキャリアの悲観から転職を過剰に怖がることです。

「転職に資格は必要ですか?」
「外資転職にはTOEIC何点があれば良いですか?」

要件は会社によるし、資格が必須な仕事や求人には記載があります。目指したいキャリアの求人票を確認して、「必須条件」「あると望ましい条件」を確認すれば概要はつかめます。

また、外資でも年齢やポジションによっては「これから頑張ります!」のポテンシャル採用もあり得ます。

新卒時も「大した経験がない!」と悩んだ記憶があるかもしれませんが、自分では大したことがないと思っていることが、「企業が欲しがる経験や業務知識」な場合もよくあります。求人要項と、自分の経験のひもづけをしましょう。

転職はしてもいいし、しなくてもいいもの

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大前提として、転職は「絶対にするべき」ものではないです。特に30歳前後が最初の転職になる人は、「ずっと同じ環境ではいけないのでは?」「チャレンジするべきなのでは?」といった焦燥感から転職を選択する人がいます。

私は転職処女をずいぶんと前に失っていますし、業界的にも転職が珍しいことではありません。終身雇用が崩壊しつつある中で、1社にいるリスクも確かにあります。しかし、場所を変えて得るキャリアと同じくらい、同じ場所で積むキャリアも意味があり、留まるリスクを取るべき時もあるなというのが私の意見です。

転職に限らないことですが、判断を自分以外の他者や世間に託すことは「選択、決断」において絶対にやってはいけません。なぜなら、他責思考で意思決定すると選択した結果がうまくいかなかった時に深く後悔するからです。

自分を主語にして以下を考えましょう。

1.なぜその選択するのか?(根拠)
2.選択によって得たいものは何か? (ゴール)

これらは「転職理由」や「志望動機」につながり、キャリアプランの基礎になります。

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