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女性のあるある満載[コン・ユ最新作]映画版「82年生まれ、キム・ジヨン」韓国マニアが正直レポ

こんにちは、韓国のことならお任せください、韓国マニア歴15年のヨムーノ編集部です。

こんにちは、韓国のことならお任せください、韓国マニア歴15年のヨムーノ編集部です。

韓国で130万部を売り上げ、日本でも書籍化された「82年生まれ、キム・ジヨン」が、ついに10月9日(金)に公開されました!映画館で楽しんできたので、早速レビューをしたいと思います。

主役は、私が韓国ドラマにハマるきっかけとなった、大物俳優コン・ユさんの最新作。作品ごとに、違う顔を見せてくれますが、今回はどんなコン・ユさんなのか、映画のキャストが判明した当初から楽しみにしていました。

そして、今回の主人公「キム・ジヨン 」を演じたのは、まさに、ジヨンと同世代、80年代生まれの女優チョン・ユミさん。

コン・ユさんの最新作「82年生まれ、キム・ジヨン」原作

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原作はこちらの小説。
テレビ局で社会派番組の放送作家をしていたチョ・ナムジュさんが会社員時代から温めていた作品で、女性が、仕事、結婚、出産、育児と、ライフステージを重ねていくごとに経験する“女性としての生きにくさ”や“重圧”を扱い、韓国だけでなく同じ時代を生きた世界中の女性の“共感”を誘ったとして有名になったものです。

主人公の「キム・ジヨン」という名前は、1982年当時、最も女性に多く付けられた名前なのだそう。チョ・ナムジュさんによれば、その時代の女性の最大公約数的な名前を使うことで、誰にでも当てはまる、つまり自分のこととして感じてもらえる、とのこと。

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世界的に#Me Too運動が起きたときに、有名人がSNSで話題にしていたことでも火が付き、たちまちヒット書籍に。

映画版「82年生まれ、キム・ジヨン」正直レポ!

小説を読んだ方にとっては、おそらく原作から少し脚色されている違和感を感じるかもしれません(小説では、精神科医の男性の手記スタイルで展開しますが、映画でフォーカスされているのはキム・ジヨンの実生活です)。

描かれた韓国社会は、日本人の私たちにも「うわ、これあるある」「昔、私も言われたわ...」と、度々考えさせられる点では共通しています。ぜひ観て感じていただくのが一番!

ストーリー

主人公のキム・ジヨン(チョン・ユミ)は、1982年生まれ。現在38歳。映画は、彼女が仕事を退職し、育児に奮闘しているところから始まります。

もともとジヨンは、大学の文学部を卒業後、広告代理店に勤務する優秀な社員でした。
ジヨンの社会生活は楽しく充実していて、尊敬する女性上司がおり、彼女はその能力を上司から認められていました。ところが、プロジェクトへの抜擢や昇進は、同期の男性の方が早く、女性は結婚して辞めることを前提となっている待遇に、ジヨンは違和感を感じていたのです。

そんなジヨンが、大学の先輩デヒョン(コン・ユ)と結婚・出産。専業主婦となったものの、社会と疎遠になったことから“産後うつ”に。夫となったデヒョンは、彼女の体調を心配し精神科受診を勧めるものの、社会復帰をしたいと願う本人との意思疎通ができず、夫婦が同時に辛い悩みを抱えます。妻の変化を目の当たりにする夫も辛いのです。

生い立ちを回顧するシーンも多々出てきます。学生時代に男子学生から嫌がらせをされ、やっと助けてくれた父親からも「スカートを短くしている自分が悪い」と責められる、など、女性であるが故に経験する“不利益”なことばかり。

結婚してからも同様で、さらにジヨンが再就職を決め夫が育児休暇を取ることになった時には義理の母から「息子の将来を邪魔しないで欲しい」など、行き場のない思いを抱えます。どこを切り取っても、韓国社会で当時女性が経験する“生きにくさ”に、たくさんの女性が共感するところかと思います。

共感ポイントは「仕事」や「子育て」への考え方

男性優位社会では父親や男兄弟が最優先され、ジヨンが生まれた82年前後は、女性は“就職せずに嫁に行く“ことが良いことという見方もあった時代。一方で、ジヨンの母は、教師になる夢を諦め専業主婦となった背景を持つため、娘には社会で生きていく強さを身につけて欲しいと願う、葛藤を抱えた女性です。

結局、社会復帰できたジヨンですが、それまでの道のりは一筋縄ではありませんでした。最も感じた感想は、女性が自分の意思で物事を決められる時代になった一方で、今も男女間・世代間のギャップも色濃く残っていること。

これは韓国だから、ということではない気がします。82年当時と比べると、日本も家庭の形はずいぶん変わっているはずです。
考え方のギャップによる社会や家庭のトラブルが絶え間なくフューチャーされる作品なので、“他人事ではない”と思う女性が声を上げ、共感の嵐を読んだ理由にも納得できます。

例えば、優しく妻思いのデヒョンは、病気が治るまでは無理をさせたくないという気持ちで発した、何気ない一言でジヨンを怒らせます。「今回は見送って、少し休んだ方がいい」という夫の言葉を聞いたジヨンは、“育児を休みと捉えている”と苛立ちに拍車をかけます。そうしたシーンにも「子育て」に関する男女感の捉え方の違い、社会の構造を映し出しているのではないでしょうか。

夫のデヒョンも結局味方になってくれるわけではなく、母親だけが、ジヨンの生き方に道しるべを作ってくれる存在として描かれます。一生懸命、ジヨンを支えてきた母親がジヨンの病気を初めて知ったときに流す涙は、もらい泣き必至です。

穏やかな夫役のコン・ユさん、素敵でしたよ♡

今回、正直に言うと、最も印象に残った俳優さんは、韓国で有名な母親役を勤める国民的女優のキム・ミンギョンさんでした。

穏やかなトーンの社会派映画だけに、母親の涙シーンの迫力が、強く心に残りました。

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