isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
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2020年下半期の運勢も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
くびきを解くべく
今週のおひつじ座は、手と足を通して自分なりの真実を見出していこうとするような星回り。
ジョージ・オーウェルの『パリ・ロンドン放浪記』は、著者が戦間期のパリの貧民街やロンドンで浮浪者として過ごした記録が綴られたもの。丹念に人間観察を続けた結果「弱い人間ほど支配者に隷従する」、つまり立場の弱い人間ほど、従順であることにプライドを見出していく、と見破っていきます。
つまり圧政とか暴力的な支配というものは、支配者=加害者の悪辣さや非道さや、そのおこぼれにあずかる取り巻き連中によってだけでなく、支配される側の「自主的隷従」に支えられて初めて成立していくのだという話。
これは現代の日本社会においても会社や学校、家庭などで見出される現実なのではないでしょうか。あなたもまた、ふだんなら見過ごしがちな抑圧や足かせに対していつも以上に反発を覚えやすかったり、それをひっくり返したくなっていくはずです。
今週のおうし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
月光の底で生きる
今週のおうし座は、美と孤独とをより一層つよく抱え持っていくような星回り。
「沖仲士(おきなかし)の哲学者」と呼ばれたエリック・ホッファーは、7歳で母が死に18際で父が死んでから天涯孤独の身でした。彼は後年、インタビューにおいて「本を書く人間が清掃人や本を印刷し製本する人よりもはるかに優れていると感じる必要がなくなる時、アメリカは知的かつ創造的で、余暇に重点をおいた社会に変容しうるでしょう」と述べていますが、これは現代の日本社会においても同じことが言えるかも知れません。
私たちは生きている。そして働いている。一方で、自分自身の置かれた状況を嘆き、暇があれば愚痴を言い、社会や上司や他人のせいにして、悪者探しと不幸自慢で一生を終えようとしているように見えますが、そんなことにはもうコリゴリだというのが今のおうし座の心境なのではないでしょうか。
ホッファーがかつてそうであったように、例え日々の労働をやめるだけの余裕などとてもないのだとしても、いまここから自生的に立ち上がり、自分なりの知見を深め、知的かつ創造的に文化を創造していくことだってできるはずです。
今週のふたご座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
失われたものへの遡及
今週のふたご座は、改めて生活のなかに豊かな営みを取り戻していこうとするような星回り。
中国・朝鮮と違い科挙のない江戸時代の日本では、読書すること=学問をすることであり、一冊のテキストを車座になって対等な者同士で討論を行っていく形式を「会読」と呼んでいました。前田勉の『江戸の読書会―会読の思想史』によれば、ある種のたのしみの「本読み会」のようなものだったそう。
厳粛に形式をととのえて授業するというより、意見や疑問を持ち寄って談笑を交えながら勉強を進めるというようなイメージに近く、参加メンバーに感情のもつれのある者が混じっている時などは、しばしばケンカにもなったのだそうです。
ケンカのくだりはさすがというか、当時の「会読」は現代日本人が学びの場としてイメージするものよりずっとおおらかな場だったのでしょう。今週のあなたもまた、自分だけでなく現代人が見失っていた“粋な営み”をそっと模索していくことがテーマとなっていきそうです。