今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
来るべきものの到来
今週のさそり座は、何か誰かが心の奥深くへ食い込んでくるような星回り。
中秋の名月(十五夜)から約1ヶ月後の満月(十三夜)は「後の月」や「裏名月」とも呼ばれ、古来より中秋の名月と並んでお月見を行う習慣もあり、片方だけのお月見は「片見月」として縁起が悪いともされました。
「なかなかにひとりあればぞ月を友」(与謝蕪村)という句では、いつもなら客が訪れにぎやかになるはずが、どうしたことか、今年の十三夜は誰からのお誘いも訪問もない。仕方なく家で独りぽつねんとしていたら、皮肉なことにすばらしく晴れた一夜となった、そんな情景が詠まれています。
最後が「月を友」になっていることで、わたしが独りであったからこそ、月との交友を満喫できた事実が際立ったのです。はじめから独りで過ごすと決めていたならば、この句はそこまで風流とは言えなかったはず。今週のあなたもまた、孤独のうちにある満足や歓びへと不意に開かれていくのを実感していくことになるでしょう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ふたつで一つ
今週のいて座は、中庸的な態度を心がけていくような星回り。
安達哲の漫画『バカ姉妹』に登場する双子の幼児。彼ら姉妹は確かにバカというか天然なのですが、さりとてただの天然という訳でもなく、はなから悟りを得ていて、しかもそのことをすっかり忘れ去っているような存在として描かれています。
彼らを幼児と思って近づいてくる欲望まみれの大人たちは、ふだん社会で使っている方便やおためごかし、忖度をそのまま彼らに繰り出してくるのですが、二人はそうした発言や行動の真意をいともやすやすと見抜いてしまうのです。そして彼らは歯向かうのではなく、ただじっと見つめます。
どうしたって関わる相手に期待しすぎてしまうか、少しも気を許してはならないと思い込むかのどちらかに偏りすぎてしまうから、姉妹のように、その中間にふんわりと留まるのは難しいもの。今週のあなたもまた、自分の何を律し、どこに風を通していくべきか、姉妹を見習いつつよく振り返っていくといいでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
幻想を吐き出す
今週のやぎ座は、すすんで生身の自分をさらけ出していくような星回り。
例えば誰かと会話していて、互いを認め合うために育ちや背景にその根拠を探っていったとき「自分だけに起きた特別な体験や感覚」だと思っていたことが、案外みんな経験してきた普通のことだったと分かる、なんてことはよくある話ではないでしょうか。
そうした気付きは、新たな仲間意識を燃やしたり、自分たちが同じ地平で踊る「神の子どもたち」なのだという解放感へ発展していくきっかけにもなりえます。結局、社会的な記号や文化的背景の違いは人としての優劣を決めるものではなくて、宇宙レベルで見れば、ほんのささいな役割や機能の違いに過ぎないのです。
今週のやぎ座は、偏見や決めつけをしないで話を聞いてくれる相手を見つけたら、とことん自分語りをしてみるのもいいでしょう。誰かの胸を大いに借りてみることで、悪い夢から醒めることだって起こり得るかも知れません。