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副業や転職よりも絶対かんたん!月に2万円増やす投資術〈準備編〉

株をやると世界が広がる!

「株式投資」「株」と聞くと、「ギャンブルじゃないの?」「お金持ちじゃないとできなそう」と思っている人も多いのではないでしょうか。確かにお金が減るリスクもありますが、増える可能性も秘めているのが株!超低金利で銀行にお金を預けていてもほとんど得をしない、むしろATMで時間外手数料を取られて損をしている人もいる今、銀行にお金を預けたままにするメリットがあるのか見直しても良いのではないかと『ロカリ』は考えます。貯めたあとは、増やす。もう少し真面目にお金と向き合ってもいいのでは。カメラマンやスタイリストのマネージメント事務所を運営しながら株講座の講師も務める藤川里絵さんは、「株をすると世界が広がる!」と教えてくれました。

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株はギャンブルじゃない!

——株をまるでやったことがない人だと、ギャンブルと同じようなイメージを持ってしまいがちです。藤川さんは株とギャンブルの違いってどこだと思いますか。

 株価はなぜ上がるのか、下がるのか。ある程度の知識がないとギャンブルになってしまうと思います。ギャンブルはアットランダムで一か八かですよね。株は「その物が売れている」「流行っている」と確実に感じたものについて調べて、業績などの数字も参考にします。上がる確率が何%くらいあるか自分の中で確信が持てれば、すごく効率のよい投資になる。絶対ではないけれど、その確率を上げるために勉強するんです。株には『四季報』(東洋経済新報社が発行する『会社四季報』)などある程度ヒントがある。でも、宝くじやギャンブルには、ほぼヒントがありませんよね。当たる確率が全く違うんじゃないかな?って思います。
 

——場合によってはギャンブルにもなるってことですよね。

 そうです。何も調べずに、ただ誰かが買ったあの株がすごく儲かったらしいよという話を聞いて、じゃあ買うというのはギャンブルだと思うんですよ。でも、自分である程度実感して調べて買うというのは(儲かる)確率をすごく上げていると思うんですね。あとは負けたとき(=株価が買った価格よりも下がったとき)も、負けを自分で早目に撤退することができる。自分で売っちゃえばいいんです。ギャンブルってそれができないんだと思うんですよ。
 私も昔は株はギャンブルだと思っていました。ニュースになったり、人から聞くのって、株で大儲けしたか逆に大損したかのどっちかじゃないですか。でも、それは両極端な例で、そうじゃない真ん中の人がたくさんいて、もっと地味なんですよ。月に2万でも3万でもプラスになればいい。労働で月に2万、3万を増やそうと思ったら結構大変ですよね。でも、株で月に2万、3万増やすのってそんなに難しくない。仕事ほど労力もかけなくてできる。そこがあまり知られていないんじゃないかなと思うんですよ。

——確かに。初めて自分が買った株が上がったときって「こんなに簡単に儲かるんだ!」ってびっくりしました。

 そうですよね。それを継続できれば、誰でも意外と簡単に取れると思うんですよね。たとえば、「50万を2億にする」とか極端なタイトルの本がありますけど、読んでみると誰でもできることじゃない。ものすごく大変なんです。そうじゃなくて、普通の感覚でできるってことがもっと知られるといいなと思います。

——藤川さんが書かれた『月収15万円からの株入門 数字オンチのわたしが5年で資産を10倍にした方法 』は身近でわかりやすく、とてもためになりました。「株が趣味」というだけあって(!)、凄く楽しんでいらっしゃるのが印象的でした。

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株の魅力1:好奇心がお金に変わる!

 株を語ると長くなるんですけど…(笑)。何が面白いって、まず好奇心が刺激されます。もし株をやっていなかったら全然興味がなかったことでも、興味を持つようになるんですよ。私の場合、ゲームは全然やらないんですが、「ゲーム株ってすごく上がるな」って気づくと「やってみようかな」って思ったり。パートナーがゲームばかりやっていたとして、自分が株をやっていなかったらつまらないと思うんです。でも、株をやっていたら「そんなに面白いんだったらダウンロード数も多いんだろうな」と。そこから自分の投資につなげて行く。好奇心がお金に変わるというところ。それが楽しいんじゃないかと思います。
 買い物でお金を使うのも楽しいと思うんだけど、お金をそこに落としたということはその会社が儲けているということだから、じゃあ投資してみようと考える。投資して株価が上がれば、今度は自分のお財布にお金が入ってくる。そうするとモチベーションも上がるから、また投資したくなるんです。

株の魅力2:外に出るようになる!

 あとは単純に外に出るようになりました。たとえばすごく流行っている飲食店に「なんでそんなに株が上がっているのかな?」と思って行ってみて、実際に良い店だったら「じゃあ株を買ってみようかな」とか。行動範囲が広がるんです。投資だけじゃなくて、友達が増えたり、知識が増えたり、良い副作用がすごく多いですね。

——実際にどんなお店に行かれたんですか?

 チーズケーキで有名な小樽の洋菓子店「ルタオ」をやっている寿スピリッツという会社があるんですが、今インバウンド効果で地方限定のお菓子もとても売れるんですね。そこが表参道にアイスケーキ(アントルメグラッセ)を販売するグラッシェルというお店を出したんです。昔からあるアイスケーキではなくて、インスタ映えする可愛いケーキ屋さんをやっていて。それを見たときにちょっと行ってみたり。気になる企業で、自分が足を運べるところはなるべく行ってます。

株の魅力3:ハマればハマるほどお金が増える!

——逆のパターンもあります?

「磯丸水産」は行ってみて、いいなと思って調べて買ったパターンです。私が株の講師をしている会社が新宿にあって、その近くにお店ができたんですよね。そこから、街を歩いてるとやたら店舗数が増えていることに気づいて。しかも、24時間営業だから朝もやってる、昼もやってる、夜もやってる…。すごいなぁと思って(笑)。講師仲間から「意外と美味しいよ」と聞いて、仕事の合間に行ったんですよ。そしたら、コスパがすごく良くて、そこから運営しているSFPホールディングスの株を調べて買って、2ヶ月くらいで20%くらい上がりました。そういう発見って日々どこにでもあって、誰にでも見つけられるんじゃないかと思います。
 趣味って、ゴルフでもヨガでも音楽でも、ハマればハマるほどお金って出て行くじゃないですか。でも、株ってハマればハマるほどそれがお金に変わるんですよ。こんなに面白い趣味はないです。時間をかければかけるほど自分のお金が変わるってすごい面白い。それが一番魅力だと思います。

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一番大事なのは肌で“変化”に気づくこと。

——自分で見つけたお店(企業)の株が上がると嬉しいですよね。

「自分は正しかった」ってテンション上がりますよ(笑)。株で一番大事なのは、肌で実感すること。それが一番確かなのかな?と思います。あのお店が流行ってるっていう感覚が、実は一番当たることが多くて。次に行ったときになんとなく味が落ちたとか、店員さんの質が落ちてきたと思ったら、だいたい株価も下がります。(プロではなくて)普通の人がやるなら、いろんなデータを調べるよりも肌感覚が一番自信を持って売買できるんじゃないかな。難しいものやわからない分野にわざわざ手を出さないで、自分が普段使っていたり、体験できることから選んでいくと失敗が少なくなります。

——「いいかも?」と思ったあと、細かく調べてから買う、ということですね。

 一番ヒントになりやすいのは、「あれ?最近これ買うことが増えたな」などの“変化“なんですよ。ちょっと前になりますけど、カルビーの株を買ったときは、スーパーで「フルグラ(フルーツグラノーラ)」の売り場がが増えて、自分自身も買うことが増えたなぁって。そういう変化。最近だと、ナッツを頻繁に食べるようになったこと。そこからナッツの売り場がすごく充実してきたなぁと思って。みんなも買ってるからいつの間にか自分も買うことが増えているし、売り場も大きくなっている。そこに、一番チャンスがある。そこから、「どういう会社がシェアをとっているのかな?」とかを調べて。そこはちょっとノウハウというか知識が必要ですけど。それがあればそんなに間違えないというか、難しくはない。そこに気づくか、アンテナが立っているかだけだと思います。

関心を持つだけでモノの見方が変わる!

ーー株を始めると敏感になるというか……、モノの見え方が変わるんですね。

 そうです。今まで流していた話にも興味が持てるようになるんですよね。実は初対面の人と話すのが苦手だったんですけど、株をやるようになっていろいろな業界を知るようになると、どの世代や業種の人とも会話ができるようになりました。自分の興味や関心事が広がるから、話題の幅が広がります 。
 また、ニュースもしっかり観るようになりました。経済ニュースにも凄い敏感になるから、耳への入り方も変わります。それだけでも毎日の生活が変わって来ますよ。 専業主婦で子育てして外に出られなくても、『四季報』を見るだけで情報が入って来て、世間との関わりが持てる。自分も子育て中のとき世間から疎外感を感じたんですけど…。『四季報』などを読むだけでわりと世の中と接している気分になれます。
 あとね、売買の仕方に性格が出るんですよ。短気な人はすぐ売ったり、高い値段のときに買ってしまったり。性格占いのような一面もあります(笑)。

ーーなるほど(笑)。自分の性格の見直しにもなったりします?

 なります!まず、精神力が鍛えられ、冷静に自分を見直せます。イラッとするメールが来ても、一呼吸置くことができるようになりました(笑)。以前は「ここで買わないともっと上がっていく!」と思っていたけれど、「一度冷まそう」と思えるようになりました。すると、実際に下がることもある。株って知識や経験以上に、どれくらい自分自身の感情をコントロールできるかどうかで決まるんです。ノーベル経済学賞を受賞した行動経済学者のリチャード・セイラーは「株価は心理に左右される。自分をコントロールできるかが成功の鍵」だと言っていて。人は損するのが嫌だから、感情で決めると負けるようにできているんだそうです。損切りしちゃうと損が確定してしまう(※)。損切りを先延ばしにしてどんどん損していく。利益が出てくると利益を早く確定したい。下がるのが怖くて今見えている利益を確定したくてすぐ確定してしまう。感情に従うと損は大きく、利益は小さくなってしまいます。感情に逆らわなきゃ勝てない。その訓練をしていくのはすごく面白く、奥深いですね。株だけでなく仕事にも当てはまることが多いんです。
 他にもよくある失敗例は、売った株が上がると、悔しいからまた買ってしまう。だけどその後下がって負けるというパターンです。取り逃がしたものに対する執着心が負けを作るんです。でも、上がった株を売って、その後また上がったとしても損はしていないですよね。ところが、そこで人は損した気分になってしまう。損した気分になり、後追いして買ったら確実な損になります。心の損と本当の損はどちらがいいか。冷静に考えるということが重要なんです。

※損切り:含み損が生じている株を見切って売ること。

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