和菓子に使われることの多い和三盆。徳島や香川の特産品としても知られていますね。さまざまなお菓子に用いられる和三盆とは、どのような特徴を持っているのでしょうか?和三盆を使った代表的なお菓子や活用方法などをご紹介しましょう。
ちあき
砂糖界の最高峰「和三盆」
「和三盆」は、高級な砂糖として知られますね。和三盆糖とも呼ばれる高級砂糖は、具体的にどんなものかをご存知ですか?和三盆について、詳しいことを知らない方も多いのではないかと思います。高級であることは知っていても、具体的にどんなものなのかは意外と知られていません。
和三盆とはどのようなお砂糖なのでしょうか?また、どのようにして作られているのかなどもご紹介します。
香川や徳島が生む一級品・和三盆とは?
和三盆は、徳島や香川など、四国を中心に作られているお砂糖のひとつです。1700年代の終わり頃から、すでに生産されていました。徳島で作られている和三盆は「阿波和三盆糖」、香川で作られるものは「讃岐和三盆糖」と呼ばれています。
▶通常の砂糖との違いは?和三盆糖の特徴
和三盆は通常の砂糖に比べ、すこし茶色がかった色をしています。粒子が非常に細かく、口どけがいいのも特徴のひとつ。
上白糖と黒砂糖の中間のような味わいで、まろやかなコクがあります。通常の砂糖よりも粒子が細かいので、和菓子などに直接ふりかけて使うこともしばしば。すっと溶ける口当たりのよさが、高級とされる理由でしょう。
▶和三盆の作り方
和三盆は、伝統的な製造方法で作られています。
まず材料は、四国で栽培されるサトウキビを使用。サトウキビから精製した砂糖を水で練り上げ、細かく研ぎます。その後、製造過程で作られた黒い蜜等を抜くために重石で圧力をかけ、1週間ほど乾燥させたら完成。
一般的の砂糖よりも、手間と時間がかかるのですね。
▶「和三盆」という名前の意味は?
「和三盆」と呼ばれるのは、粒子を細かくするためにお盆の上で砂糖を研ぐことから名前がつけられました。
「3回ほどお盆の上で砂糖を研ぐ」というのがネーミングの由来になっています。見た目を白くするために5回以上研ぐケースもあるのだとか。最低でもお盆の上で3度研ぐことで、粒子が細かく滑らかな口当たりになるのですね。
和三盆を使った代表的なお菓子「落雁」
和三盆を使った代表的なお菓子に、「落雁」という和菓子があります。落雁は水あめや砂糖のほか、お米などでんぷん質の粉で作られたお菓子です。
型押しをすることによって、いろんな形状に仕上がります。見た目がかわいらしいものや、美しいものなどさまざま。落雁が名物になっているエリアも多く、日本三銘菓としても落雁は知られています。
そんな落雁ですが、必ずしも和三盆を使っているわけではありません。和三盆を使わなくても、でんぷん質の粉に砂糖や水あめを混ぜて固めたものを、落雁と呼びます。
▶和三盆を圧縮して作る和菓子も!
水あめや砂糖を混ぜて作るものではなく、和三盆のみを使った和菓子もあります。和三盆のみを型押しするため見た目は落雁に似ていますが、味わいはまったく別。半球体に押し固めたものや、懐紙でぎゅっと包んだものなどがありますよ。
和三盆の主な使い方
和三盆は和菓子に使うことが多いですが、そのほかにもご家庭で活用する方法があります。いくつかご紹介するので、和三盆を手にする機会がありましたらぜひ試してみてくださいね!
▶コーヒーや紅茶
和三盆は、一般的な砂糖と同じように使うことができます。コーヒーや紅茶を飲む際に、少量を加えてみましょう。上白糖に比べ少量でも甘みを感じられます。また、和三盆を加えることで、味には深みをプラスすることができますよ。
▶トースト
トーストにも和三盆を使うと、コクのある甘みで贅沢な仕上がりになります。バターやマーガリンを塗ったトーストの上に、和三盆をお好みで振りかけてみましょう。すると、いつものトーストが高級スイーツのような味わいに!
フルーツを組み合わせても良いでしょう。朝にいただけば、優雅な気分でスタートできますね。
▶ヨーグルト
ヨーグルトやアサイーボウルに和三盆を加えるのもおすすめ。しっかりと和三盆を混ぜ合わせることで、黒みつをかけたような味になります。フルーツやシリアルとの相性もよく、ワンランク上の味わいになりますよ。
▶お菓子作り
普通の砂糖と同じように使うことのできる和三盆は、お菓子作りにもぴったりです。プリンやロールケーキなど、洋菓子に使ってももちろんOK!繊細で上質な甘さに仕上げたいなら、ぜひ和三盆を使ってみましょう。
「和三盆スイーツを食べてみたい!」という方はネットで購入もできるので、チェックしてみてくださいね。