isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
星乃せいこさんによる「毎月の運勢グラフ」も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
自然に生きていく
今週のおひつじ座は、画一的な価値観への同調圧力に鋭く斬り込んでいくような星回り。
「未亡人泣かぬと記者はまた書くか」(佐々木巽)は、昭和12年11月(1936)に発表された句。この年は二・二六事件が起きた年であり、他にも大規模なクーデターや過激な計画を実行する動きが続発し、軍部や青年将校たちが暴力によって腐敗した政治の改変をはかろうとしていきました。結果的にそれらは失敗し、これ以降、思想行動の監視が強化されていく大きな転機となっていったのです。
その意味で、掲句は当時の新聞の雰囲気を知ることができる貴重な証言とも言えます。「お国のための尊い犠牲になったことをむしろ喜ぶべし」とする風潮はすでにこの頃から非常に強く、こうした画一的な価値観への同調圧力が、時代の空気を形成していきました。
その行き着いた先に待ち受けていたものこそが太平洋戦争への無謀な突入であり、空前絶後の犠牲と深い傷を国民にもたらしたことは、2021年の今のタイミングで改めて想起しておくべきことなのかも知れません。あなたもまた、自分自身や周囲の旧態依然とした在り様にいかに「NO」を突きつけていけるかがテーマとなっていきそうです。
今週のおうし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
嵐の前の静けさ
今週のおうし座は、「われわれ」の歪みを浮き彫りにしていこうとするような星回り。
この宇宙では、「現状維持」など本当は存在しません。一見落ち着いていて特に変化のないように見える静的な調和すらも、実際には絶えざる動的平衡のもとで成り立っているに過ぎないのであって、逆に言えば、「現状維持でいこう」という態度は、すべからく自分の内部や周囲との動的平衡を破壊していかんとする、宣戦布告に他ならないのです。
このことは、今のおうし座ならばよく分かるはず。まだ際立った人生の変化や、特別なイベントの最中にいる訳ではないにしても、水面下ではギリギリのところまで葛藤が高まっていたり、今にも決壊寸前のダムのように「その時」が迫っていること、そしていったん始まればそれがドラスティックな変化となるだろうことも、うすうす感じとっているのではないでしょうか。
その意味で今週のおうし座は、自分を取り巻く目に見えない力の流れがどこへ向かっていこうとしているのか、頭で考えるのではなくできるだけ四股や肚で感じとってみてください。
今週のふたご座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
覚悟を語る
今週のふたご座は、おのれの生き様を浮き彫りにしていこうとするような星回り。
「青空に/青海堪へて/貝殻(かい)伏しぬ」(吉岡禅寺洞 )は昭和10年(1935)に詠まれたもので、多行形式かつ季語が使われていない無季俳句。作者は最初こそ五七五の定型や有季俳句から出発したものの、次第に新興俳句運動に関わるようになっていったために、この翌年には所属していた結社である「ホトトギス」から除名されます。「ホトトギス」がほぼそのまま俳壇を意味した当時の俳句界において、これは大変な出来事でした。
しかし作者は戦後になってさらに文語体や定型俳句との訣別を決定的なものにし、いよいよ口語・自由律・無季俳句を推進していった訳ですが、掲句はそんな作者の波乱の俳句人生を代表する一句と言えるでしょう。
暴力的なほどの青のまぶしさの後の貝殻のくらさが、心憎いほど絶妙なバランス感を放っている一方で、それはまるでセンセーショナルでありつつも、どこか彼のその後の歩みを予見しているかのようでもあります。あなたもまた、この先の人生の歩みを思い描きながら過ごしてみるといいでしょう。