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[8/2〜8/8の運勢]8月1週目の運勢はどうなる?SUGARさんが贈る12星座占いをチェック!

カルチャー

今週のさそり座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

光と闇とその密度

今週のさそり座は、だんだん凄味が増していくような星回り。

「切れさうな月あらはれる草いきれ」(三城佳代子)は、モチーフや比喩にも特に奇をてらったところがないにも関わらず、不思議な迫力のある句。炎威なお衰えぬ夏の夕暮れの草原に、こつ然と白光をおびて切れそうなほど細い月が現われる。その明と暗、夜と昼とのさかいに身を置いて、思わず壊れそうなほど繊細な三日月にこころ奪われたのでしょう。

おそらく、自分でもとらえどころのない鬱屈した情念が、たまたま眼前の鮮烈な光景に触発されて一気にほとばしって出来上がった作品なのかもしれません。どこか理屈を拒むようなその迫力は、再読を重ねるにしたがって月が光を加え、大地が重く沈むように感じられるにつれ、増していくはず。

そして、そうした得体の知れない密度は、どこかさそり座の人たちの存在感にも通じるところがあるように思います。あなたもまた、平凡な説明や安易なストーリーに自身の身をあずけることなく、持ち前の得体の知れなさに踏みとどまっていきたいところ。

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今週のいて座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

偶然性の海でサーフィン

今週のいて座は、偶然性の波の上にのって、見知らぬ自分へと変容していこうとするような星回り。

高度に情報化された現代社会では、“賢く有能な”人ほど情報の取捨選択にコストをかけ、どこかの時点で意図的に情報収集をやめて行動に移ろうとしていくが、端的にいってそういう意味の過剰さや「意識の高さ」にくたびれてしまった人も多いのではないだろうか。

そうした主体の理知のもとでの行動の中絶を、哲学者の千葉雅也は『勉強の哲学―来るべきバカのために』の中で、「意味的切断」と呼んでいるが、他方で「非意味的切断」ということについて「すぐれて非意味的切断と呼ばれるべきは、「真に知と呼ぶに値する」訣別ではなく、むしろ中毒や愚かさ、失認や疲労、そして障害といった「有限性finitude」のために、あちこちに乱走している切断である。」と述べている。

そして興味深いことに、千葉やこのタイプの切断の重要性を指摘した上で、それを「そうでなかった自分に成る」ためのテクニックとして、肯定的に活用しようと畳みかける。あなたもまた、「自分が求めていたものを得る」のではなく、むしろ見知らぬ自分になっていくための行為として勉強に励んでいくべし。

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今週のやぎ座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

ろくでなしブルース

今週のやぎ座は、説明のつかない衝動や感情の顕在化を促していくような星回り。

「夏雲にいくたび翳るカトラリー」(藤井あかり)は、ナイフ、フォークなどではなく、あえてそうした食卓用の刃物の総称である「カトラリー」という言葉を選んだことで、何かが変わってしまったように感じられる一句。「夏雲」とあるにも関わらず、掲句には日本の夏特有の暑苦しさが微塵も感じられません。

むしろ、静謐な時間の流れのなかで時おり翳る「カテラリー」に、決して表には現われされることのない作者の不穏な衝動や奥底にある負の感情が連想されて、というより、自分の中の何かをそこへ投影して、背筋に冷たいものが走る人もいるのではないでしょうか。

その意味で、掲句はどこかでそうした押し込められた感情や言葉にできない神的不満のようなものの解放を淡々と促していく作品でもあるのかも知れません。あなたもまた、自分自身を深いところで縛っているしがらみと向き合っていくことになるでしょう。

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