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[8/23〜8/29の運勢]8月4週目の運勢はどうなる?SUGARさんが贈る12星座占いをチェック!

カルチャー

今週のかに座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

こわいこわいはとんでいけ

今週のかに座は、生存への意志をあらためて引き出し、受け取っていこうとするような星回り。

1993年に刊行された『完全自殺マニュアル』(鶴見済)の前書きには、次のような有名な一節があります。「これでやっとわかった。もう“デカイ一発”はこない。22世紀はちゃんとくる(もちろん21世紀はくる。ハルマゲドンなんてないんだから)。世界は絶対に終わらない。ちょっと“異界”や“外部”に触ったくらいじゃ満足しない。もっと大きな刺激がほしかったら、本当に世界を終わらせたかったら、あとはもう“あのこと”をやってしまうしかないんだ。」

つまり、自分から死んでしまうしかない。そう促しているかのような一文ですが、本書のあとがきには「『イザとなったら死んじゃえばいい』っていう選択肢を作って、閉塞してどん詰まりの世界の中に風穴を開けて風通しをよくして、ちょっと生きやすくしようっていうのが本当の狙いだ」とあります。

それから30年近くたって、「いつ自分が死んでもおかしくない」という想像力の働く状況がここまで一般的なものになるとは、当時誰も想像していなかったことでしょう。あなたもまた、生きづらい世の中をサヴァイブしていくための基本的な構えを確認しなおしていくべし。

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今週のしし座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

伴走と揺籃(ようらん)

今週のしし座は、それまでのしがらみや軋轢から解放されて、真っ逆さまに下へ落ちていくような星回り。

「天皇の白髪にこそ夏の月」(宇多喜代子)は、平成に代が変わった数年後に詠まれた一句。したがって、掲句の「天皇」とは、おそらく作者と同年代である現在の上皇陛下のこと。ふと気付いた白髪を、晴れた空にのぼった夏の月の光の涼やかさがさりげなく輝かせていることに、ふつふつとした思いが湧き上がってきたのでしょう。

闇を照らす静かな光。そこに戦争という昭和の負の遺産を引き継ぎながら、皇太子として、そして天皇として歩んできた長い年月が静かに映し出されているのを感じたのかも知れません。

激動の時代のなかで、天皇という立場を全うせざるを得なかった、特別な、しかし紛れもなく同じひとりの人間である者への、言葉にならない思いが、ここには最低限の言葉で言い表されています。あなたもまた、頭上の月のひかりを静かに照らし返しているような、きっと身の周りにいるだろう「白髪」の持ち主を意識してみるべし。

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今週のおとめ座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

間を埋めるのではなく

今週のおとめ座は、見通すべき物事を描き出していくための、自分なりのやり方を模索していくような星回り。

16世紀初頭から江戸時代にかけて、京都の市街(洛中)と郊外(洛外)の景観や風俗を描いた「洛中洛外図」は、橋や衣服、履き物といったディテールは非常に細かく描かれている一方で、絵画全体を見ると大部分が雲で覆われています。

この不思議な構図の裏にあるのは、ある種の意図的な「ごまかし」。つまり、これを描いた画家は、京都の何たるかを要素ごとに分解してそれを一つのまとまりとして再構築するのは不可能だと判断し、ビッグピクチャーとしての京都と、いくつかのディテールを描いて、その繋ぎを「間(ま)」としてごまかしたのでしょう。

しかし、これは「いちいち理屈や根拠がなければ描いてはいけない」というロジックの呪縛から私たちを解放するための知恵でもあって、ビックピクチャーとディティールの往復によって物事を描くとき、そこに必然的に「大局観」と呼ばれるものが浮き上がってくるのです。あなたもまた、そもそも物事を「理解する」とはどういうことか、自分はどう理解しているのか、改めて考えてみるといいでしょう。

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今週のてんびん座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

みずからとおのずから

今週のてんびん座は、ここのところ失われていた余白を取り戻していくような星回り。

それはまるで、「家にゐて素足愉しむ日なりけり」(鈴木しげを)のよう。外に出ないで済んだり、靴をはかなくてもいい日はそれだけでうれしいものだが、ステイホームで在宅ワークに追われることも増えてくれば、それはもう「素足愉しむ日」とは言えない。「素足愉しむ」とは、自分が健康でいるのをひそかにふかえって喜ぶ境地であり、そのためには社会的にも、身体的にも、そして精神的ないし霊的にも、それなりの余白があったほうがいい。

思えば、子供の頃に夏休みが無性にうれしかったのは、宿題やらお稽古やらで普段すっかり奪われてしまっていた、圧倒的な余白を取り戻すことができたからだったのではないでしょうか。

自分の足の裏で直接踏みしめる畳や庭の感触を味わってみること。それ以外は、他に何か豪華な物が欲しいわけでもなし。掲句はそんな気分をさりげなく詠んでくれているように思います。あなたも、ぎちぎちに固めたウェルビーイングをすこし遊びをもたせて、ゆるく結びなおしてみるといいでしょう。

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