isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
星乃せいこさんによる「毎月の運勢グラフ」も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
狂ったわけではありません
今週のおひつじ座は、知らず知らず一緒になって活動していたものとのつながりに、気が付いていくような星回り。
「四五人に月落ちかかるおどり哉」(与謝蕪村)は盆踊りについて詠んだもので、英一蝶(はなぶさいっしょう)という狩野派の画家でもあり、歌人でもあった人の絵につけた句。夜が更けるにつれて人がいなくなり、最後に残ったのが四五人であるということで、もう月も落ちかかっている訳です。
それでもこのお月さまの下で、つまり私たちの心の暗かったり、曇ってしまっている部分を、サーっと照らし出されて、思わずこの身が踊りだして止まらない。そうして、踊り狂ってトランス状態になってしまった人たちの熱気というのが、描かれている。
しかも、絵を見ると、実際にそこにいるのはどう見ても三人なんです。つまり、そこに付加されている「一、二人」というのは、ともに踊っている先祖であり、ここでは生者と死者が混然一体となっている、この世の真実相が示されているのではないでしょうか。あなたもまた、意外なところで自分に寄り添い力を与えてくれているものの存在を感じていくことができるかも知れません。
今週のおうし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
当たり前のことを当たり前に
今週のおうし座は、自分がもっとも「平常心」でいられる現場を、みずから確保していこうとするような星回り。
吟行とは、俳句の題材を求めて景色のいい場所へ出かけて、その場で何句かを作っていくこと。しかし、ただ名所・旧跡のような“いい素材”を得たからといって、いい俳句ができるとは限らないのです。そのためか、吟行で作られた作品でいいなと感じるものは、大抵どこかひっそりとしていたり、あるいは、余計なこわばりのない、あっさりとした印象のものが多いように思います。
それは、人の目にどう映るかはともかく、自分としては一番ウブな気持ちになって、そういうウブな気持ちのなかにあざやかにみえた風景を17文字で切り取っているからでしょう。そして、そういう一句を自分の作品としていく上で一番大切なことは、「平凡さを恐れない」ということなのではないでしょうか。
今週のあなたもまた、そんな「吟行」に臨んでいるつもりで過ごしていきたいところです。
今週のふたご座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
悪童のまなざし
今週のふたご座は、言葉にならない思いの前で、ただただ沈黙していくような星回り。
「夏の雲肺ふくらめば言葉消ゆ」(榮猿丸)に描かれているのは、むくむくとどこまでも立ち昇る「夏の雲」。そこには、まだ私たちが自分がいつか大人になるだなんていっこうに想像できなかった頃の「幼な心」を思い出させるかすかな消息が残っています。
ぽかーんとあけた口から、もくもくと立ち昇ったプラーナ(気息)が風にのってどこまでも広がった名残りのようなそれは、私たちを根源的な遼遠に置いていくとともに、遠い未来からの牽引をも感じさせます。
振り返った先に広がっていた「夏の雲」を目の当たりにして、思わずそのはかない消息やまさかの葛藤にとらえられたとき、使い慣れた言葉の数々は脳裡から消えゆき、ただただ大きくふくらんだ肺のからっぽさのなかで、遠く遥かなる感覚だけを呼吸にのせていく。永遠に円熟しない少年の命は、ただ夏の一日なのです。あなたも、そんな在りし日の自分に立ち戻ったつもりで過ごしてみるといいでしょう。