素材も多様化。SDGsへの意識も
多様化しているのは色だけでなく素材も。
「黒川鞄工房では牛革、コードバン、人工皮革とさまざまな素材のランドセルを扱っていますが、昔から一貫して天然皮革にこだわっており、今後も環境に配慮した天然皮革を使った製品づくりをおこなっていきたいと考えています。
ランドセル市場全体では"とにかくできるだけ軽く"という流れができている中で、革ではない特殊生地を使用するメーカーさんも出てきています」
これまでは本革とクラリーノに代表される人工皮革の二択がメインだったランドセルも、今はナイロンや綿帆布、ポリエステル製など、革以外も多く販売されています。軽量でリーズナブルな素材は魅力的ではありますが、子どもが6年間使用するランドセルはやっぱり耐久性が気になるもの。
アンケートで「ランドセルを選ぶ際に魅力に感じるポイント、重視するポイント」を聞いたところ、ランドセル選びは「耐久性・機能性」が最も重視されていることがわかりました。
昨今はSDGsの観点から、高品質で耐久性に優れたものを永く、心地よく使用するという意識が強くなっています。
永く愛用できる天然皮革はサスティナブル。黒川鞄工房ではさらに卒業後のランドセルをリメイクすることで、子どもたちに「もったいない」を伝えるための「革育(かわいく)」にも取り組んでいます。
「リメイクできるものはミニランドセルとペンケース、今年からは財布も追加をしました。ミニランドセルが一番人気です。今後も生涯にわたって使えるランドセルとしてリメイクにも力を入れていきたいと考えています」
失敗しないランドセル選びのコツは?
ランドセル選びをスタートさせる中で気になるのは、わが子に合うランドセルの選び方。
入学がまだ先で小学校生活がイメージしづらい中で、年中や年長になりたての子どもが実際に試着しても感想を明確に伝えられないのでは?と不安になりますよね。
ランドセル選びに失敗しないためには、親はどんなことを確認すべきなのでしょうか?また、子どもにはどのように確認して検討すればいいのでしょうか?
「展示会にいらっしゃる親御さんは、実際に子どもが背負ったときに軽く感じるか、身体に密着しているかという点を重要視されています。近年は主張がはっきりしているお子さんが多いので、軽さの面は声をかけて確認してあげるといいですね。
また、重さを比べる際には、荷物を入れた状態で比較することをおすすめします。特に低学年の時は、小さい体で5~6㎏にもなる学用品を運ぶことになります。ランドセルそのものの重さを比較するのではなく、5~6㎏のものが入った状態で腰などに負担がかからないかを重要視してあげてほしいです」
展示会や店舗では教科書や重りが用意されているところも多いよう。実際に背負うことになる重さで使用感を確認することで、永く愛用できるランドセルが見つかりそうですね。
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2023年4月入学者のラン活傾向と、ランドセルの人気色や機能の最新トレンドを紹介しました。
近年ではゴールデンウィーク前に、人気モデルの人気色が売り切れてしまうことも多いです。今回取材にご協力いただいた黒川鞄工房でも2022年4月入学モデルは2021年5月18日にすべてのモデルが完売したとのこと。
早めの情報収集で、子どもにとってベストなランドセルを見つけてくださいね。
■本文中で引用しているアンケート調査の概要
黒川鞄 ランドセルに関する調査
調査方法 :インターネットリサーチ
日時 :2021年10月14日~10月15日
性別 :女性
年齢 :20~40歳
地域 :全国
対象数 :800名