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野菜を食べないのは「味」だけが問題じゃない。"子どもの偏食”で悩む親に知ってほしいコト

臨床心理士・公認心理師のyukoです。好きなもの以外口にしない。食べられるものが極端に少ない。偏食への対応に四苦八苦している親御さんは多いかと思います。どんなに手を尽くしても口にしてくれないと、栄養バランスが心配なのはもちろん、悲しくなってきたり、イライラしたり。子どもの偏食にはどのように向き合っていけばよいのでしょうか。子どもと親の心を傷つけない、偏食対応について考えていきます。

偏食克服の目的とは何か

親としては、"食べることの楽しみを知ってほしい”、"美味しいものを好きになってほしい”と思いますよね。
一方で子どもは、匂いや触感、味に嫌悪感を抱いたり、知らないものへの恐怖を感じているかも。

また、食よりも大切と感じる目先の活動(ゲームやおもちゃ)から切り替えなければならないツラさもあります。

食べ物の好き嫌いは、大人であっても多少はあるかと思います。
「嫌い」を「好き」に変えるのは難しいものです。
「嫌い」という主張から否定され、美味しく食べられないことを責められると気持ちを否定されている感じがしてしまいます。

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www.photo-ac.com

偏食改善のゴールは、「苦手なものを頑張って食べようとする心構え」の形成だと思います。
苦手なものに向き合い、その姿勢を褒められる経験は、「嫌なことも頑張ってみる」心を育てていきます。

一口頑張って食べたあとは、「今日はこんなところか」とゆっくり考えていくのもよいかもしれません。

どうして食べられないのか

知らない食べ物への不安や抵抗

初めてのもの、初めてのことに対する警戒心が強い子も多く見かけます。
何かわからないものは口にしたくない、馴染みのないものは自分の中に取り入れたくないという拒否感を抱えているようです。

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1.食べ物や食べ方、食べる場面へのこだわり

こだわりの強さが偏食に繋がっているケースもあります。
決まった菓子パンしか食べない、野菜はカレーに入っているもの以外は食べない、給食の白米は食べないなど。

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こだわりの強さは一見すると、わがままや頑固さとも捉えられます。

ただ、こだわりの背景には、「わからないものへの不安」や「嫌な思いをすることへの怖さ」が隠れていることも。
ルーティンを大切にすることで、自分を守っているケースも多いです。

2.咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)の問題

唇や舌の働きが十分でない場合、うまく噛めないものや固いものに苦手意識がある子もいます。
言葉でうまく説明できない年齢では、食べ方や飲み込み方を観察し、専門家に相談してみるのもひとつです。

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3.感覚の過敏さがある

発達上の特性として、視覚や嗅覚、触覚に過敏さがあったり、多くの人とは異なる捉え方をする場合もあります。

視覚的な捉え方に特徴のある子は、食べ物の繊維や粒子を見て、不気味さや怖さを感じる子もいるんです。
また、触覚や嗅覚の過敏さがある子は、家族は気にならない匂いを強く気にしたり、ざらざらした表面の食べ物を食べたとき"痛い”と感じることも。

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感覚の過敏さは周囲からは見えにくく、本人の中で抱え込むしかない辛さとなってしまうケースも多いです。
子どもが嫌がるものについて、「五感」の視点から捉え直し、特性を理解する対応も必要です。

子どもの偏食への対応

まずは一口飲み込むよう促す

苦手なものをまったく受けつけず、食べさせようとすると大声で泣くなど、大きな抵抗をする子も多いかと思います。
そして、「そこまで嫌がるなら」と思い諦めてしまう方も多いのでは。

ですが、ときに、"泣いたり騒いだりすれば食べなくてもよい”と学んでしまうことも。

叱ったり脅したりして無理に食べさせるのではなく、毅然とした態度で一口を促す関わりが大切です。
気持ちが落ち着くまで待ち、「食べても怖いことはない」という声かけで応援するのもひとつ。

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少しずつ量を増やし、頑張れたときはしっかり褒めるのを忘れずに。

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