今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
辺境×革命
今週のかに座は、自分なりの仕方でせっせと安全地帯をこしらえていこうとするような星回り。
「田舎でパン屋を営む」というやり方のごとし。『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』の著者である渡邉格は、資本主義の辺境において、パンを通じて誰にも搾取されない理想的な循環システムを創り出そうという革命運動を提唱しています。
僕らは、地域通貨のようなパンをつくることを目指す。パンをつくって売れば売るほど、地域の経済が活性化し、地域で暮らす人が豊かになり、地域の自然と環境が生態系の豊かさと多様性を取り戻すパン
あなたもまた、生の豊かさと喜びを守り、高めていくために、たとえ非効率であっても、手間暇をかけて自分なりの「パン」をつくっていくことが、改めてテーマになっていくでしょう。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
無から浮かんでは沈む音のように
今週のしし座は、知らず知らず自分を左右してきた隠れた衝動が、そっと顕在化していくような星回り。
『蟻の列吸はるるやうに穴の中』（柿本麗子）という句のごとし。もしかしたら、この「穴」とは人間ならば誰しもが抱えているような、意識の奥底にぽっかりと空いた「心の穴」なのかも知れません。
人間には秩序を好みそれを創り出そうとする心性があると同時に、無秩序を愛し、無へ帰ろうとする心性もあり、前者だけでなく後者もまた、人生を通じて少しずつ現実に浸透していっては、ある日唐突に顔を見せるものなのではないでしょうか。
あなたもまた、不意にそうした自分の心の穴を覗き込んでいくことになるかも知れません。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ふわふわしていく
今週のおとめ座は、聖霊が通り抜けられるよう、みずから穴だらけになっていくような星回り。
キリスト教三位一体論における「聖霊」の働きのごとし。聖霊には「派遣」「発出」「霊発」という働きがあるとされています。
人類は文明という名目を通して、長らく自分たちの生活や人生を堅固にするべく、聖霊を制御しようとしてきた訳ですが、現代というのはそうしたやり方そのものが行き詰ってしまった時代に至ったのではないでしょうか。
あなたもまた、そうした「制御」という発想から解放されるべく、改めて環境やインスピレーションに向けて開かれていくことがテーマとなっていくでしょう。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
星にかくれて
今週のてんびん座は、相対する世界のスケールをグッと拡げていこうとするような星回り。
『夏草に鶏一羽かくれけり』（福田把栗）という句のごとし。掲句の「鶏」には、作者自身の理想が重ねられていたのかも知れません。
芭蕉が奥州平泉の地で「夏草や兵どもが夢の跡」と詠んだように、どうせ囲まれるのなら、人間社会を包みこむより大きな世界や、人間の営みを相対化する自然と少しでもつながりを感じ、そこにまぎれながら生きていきたいと感じていたのではないでしょうか。
あなたもまた、人間の思惑が先行する“社会”との距離感をとるべく、世界そのものとの関わりに開かれていくべし。
