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男は仕事、女は家事という役割、なんてない。

大事なのは「自分の気持ち」。漫画だって、編集の望み通りに描く必要はない

現在は、週1日会社に行って広報の仕事をし、残りの4日は、9時から18時まで漫画やイラストの仕事、それ以外の時間と土・日曜を家族の時間に充てているという吉本さん。子育て生活の中で見えてきたものについて聞いてみた。

「子どもたちとの生活は、たくさんの制限もありますが、彼らが自分たちを必要としてくれているんだなと感じられるような瞬間があって、とても幸せで充実しています。仕事に関しては、これまでの生活で『人と話をすること』『ふたをしてしまっている自分の気持ちに気が付くこと』の大切さを実感できるようになりました。

コーチングの先生と話すうちに、自分の悩みが他人と比べ過ぎていたり、編集さんの期待に応えようとし過ぎていたりしたことが原因だったのではないかと気が付いて。自分が本当にやりたいことにふたをしていたんだと感じました。そこから、他人の期待に応えるんじゃなく、自分が描きたいものを描こうと割り切れるようになりましたね」

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父親の育休推進などについては、「どんな人がいてもいいと思うので、強い興味はなかった」と言う吉本さん。「でも今は、誰かが『こんな選択肢もあるよ』と発信することで、いろんな価値観を受け入れられる社会になるんじゃないかな」と語る。

自分の気持ちと向き合って、それを家族に伝えて、自分たちらしい生き方を探していく。シンプルだけど、とても難しいことだ。独り善よがりではいけないし、相手を尊重しなくては本質的な解決にはならない。しかし、そういった困難を乗り越えてこそ、本当の意味での家族をつくっていけるのではないだろうか。

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育児をしている、これからする方に伝えたいのは、子どもたちとできるだけ多くの時間を過ごして、写真でも動画でもいいので撮りまくってほしいということ。子どもたちとの毎日は、本当に密度が濃い日々の連続なので、「こんなことあったっけ?」って忘れてしまうケースも多いんです。いっぱい思い出づくりをして、何かしらの形で残してくださいね!
取材・執筆・撮影:立岡美佐子

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1986年、大阪府生まれ。現在は滋賀県に在住。漫画家で3児の父。18歳から8年間たバンド活動をしていたが、バンドが解散した後は、サラリーマンとして働きながら漫画家に。子どもの成長を残す意味で描き始めた漫画『おもち日和』が人気を博し、集英社より出版デビュー。2019年に会社員を辞め、フリーランスとして働いている。

Twitter @horahareta13

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note 吉本ユータヌキ

吉本ユータヌキ
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