誰かに教えたくてたまらなくなるカフェを西陣で見つけました。SNSで評判の「cafe ioa(カフェ イオア)」。美しい表現で人気なのは知っていたのですが、実際に行ってみて、食べてみて、お話を聞いたからこそ分かった人気の秘密をお伝えします。
SNSで大注目、西陣エリアの美味カフェ
白い背景に並ぶ美しいパフェやスイーツの写真に魅了されて訪れたのは、西陣エリア、千本通沿いにある「cafe ioa(カフェ イオア)」。かつて皇居(大内裏)の入口である朱雀門から平安京の入口となる羅城門まで京都の中心を貫いた朱雀大路が現在の千本通であり、京都の伝統産業・西陣織の生産地としても知られる歴史ある街には、今も昔も名店が揃います。
SNSのイメージ通り、白を基調に観葉植物が飾られた清潔感のある店内。
インテリアセンスの光る店内にはさりげなくアートが飾られ、雑貨の販売もされています。
2階はさらにアットホームな雰囲気。店主の娘さんが子育てに専念するため、それまで一緒にやっていたお店を引き受けたということもあり、コロナ禍でなかなか出かけられなかった当時の状況から、ベビーベッド、ベビーサークル、授乳室などが完備されていてファミリーにもやさしい造りになっています。
ひとつひとつデザインの違う椅子はよくみるとヨーロッパのアンティークも混じっています。そこから見えてきたのは「ioa」オープンのきっかけとなったフランスでの原体験。
この店をオープンする20年ほど前、仕事の関係でフランスに住むことになった旦那さんに付き添い、渡仏することになった松田さん。現地の人たちと家族ぐるみでお付き合いをする中で、ホームパーティーに招かれてマダムたちからお料理を教えてもらうことも多かったそう。
新しいおいしさに出合うたび「どうすればこんなにおいしい料理ができるのだろう」と、その味を思い出しては自分で再現してみるようになった松田さん。ランチタイムには、当時フランスで出合った懐かしい味を思い出しながら考えたというメニューを提供されています。
シャインマスカットを最高の状態で楽しめるパフェ&スイーツ
「レモンとシャインマスカットのパフェ」1800円
さて、お待ちかねのパフェ登場です!いまの旬は、そう、シャインマスカット。パフェの中にはシャインマスカットの大きな粒が10粒も使われています。
使っているのは、農園から直送されてくる山梨県産のシャインマスカット。一番大きいものはピンポン玉くらいありそう。
パフェの語源はperfect。その名前の由来を見事に体現しているこちらのパフェ。甘さと酸っぱさ、みずみずしさと食感。物語の場面が展開していくように、ひとさじすくって口に運ぶごとに現れる変化に感動します。
パフェの構成は、下からマスカットゼリー、クリーム、グラノーラ、自家製ベークドヨーグルトケーキ、蜂蜜漬けしたレモン、自家製レモンソルベ&自家製ヨーグルトソルベ、サクサクの自家製パイ、クリーム、バニラアイス。
「パフェは苦手と思っている人が喜んでくれるような、フルーツを楽しむパフェを作りたい」というのがioaのパフェのコンセプト。シャインマスカットの甘さとみずみずしさが主役になるように周りのスイーツは酸味のあるすっきりしたもの。生クリームやグラノーラにも名脇役となるような独自の工夫が施されています。「写真を撮られる方が多いので」と松田さん。グラスやアイスはできる限りキンキンに冷やし、美味しく食べられる状態ができる限り長く続くように工夫されています。
(左から)「シャインマスカットのクリームソーダ」800円、「シャインマスカットのパンナコッタ」980円
シャインマスカットや桃、いちごなど、その時期を代表する旬のフルーツを使ったメニューは多品種展開されており、シャインマスカットのメニューはパフェを含んで5種類あります。
驚いたのは、クリームソーダ。クリームソーダといえば、懐かしいあの甘さが頭をよぎりますが、こちらのものは超絶スッキリ。ベースになるのは強炭酸水。しかも、注文が入る都度作るできたての生炭酸水です。
蜂蜜漬けの有機レモンのほのかな酸味と甘み、バニラアイスの優しい甘さのバランスもよくて、喉の渇きも一瞬で癒え、さらに自然な甘さに満たされます。オススメ。
クリームソーダには4粒、パンナコッタには8粒のシャインマスカットが使われていて、贅沢の極み。食材は「余すことなくすべて使い切る」が信条の松田さん、同じフルーツを使ったメニューでもそれぞれに違う楽しみを味わわせてくれます。