夜なかなか眠りにつきにくかったり、朝起きた時に疲労感が残っている場合は、「背中」を意識ししたほぐしで解決するかもしれません。ゆったりとした呼吸に合わせてストレッチすることで、心身ともにリラックスできます。
背中が硬いと不眠になりやすい?
背中には内臓の働きや体温をコントロールする「自律神経」が存在します。自律神経には、心身を活発にする交感神経と休ませる働きをする副交感神経があり、双方がバランス良く作用することによって私たちの身体は健康に保たれています。自律神経が乱れると交感神経が優位の状態が続き、身体が緊張して背中の痛みとして現れることがあります。背中がこると呼吸の働きが妨げられ、さらに身体の緊張が続くという悪循環に陥る可能性があります。これが不眠の原因になってしまうのです。
特にほぐしたい背中の筋肉はココ
脊柱起立筋群
脊柱起立筋群は、背骨に沿うようにして付いている筋群。背骨に近い側の棘筋、その一つ外側の最長筋、一番外側の腸助筋という主に3つの筋群を表す総称です。脊柱起立筋群は姿勢の維持に大きく関係していて、自律神経のバランスが乱れると硬くなりやすいと言われています。
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菱形筋
脊椎から左右の肩甲骨にかけて付いている筋肉で、僧帽筋や広背筋などの働きをサポートする役割があります。主に肩甲骨を内側に引き寄せる働きがあり、この筋肉が硬く猫背になると、呼吸筋の活動が妨げられる場合があります。
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背中をほぐすメリット
・肩こり解消
・腰痛予防
・自律神経のバランスを整える
・呼吸が入りやすくなる
・疲労回復
背中のストレッチにはメリットがあります。夜寝る前に呼吸と共にゆったりとほぐしたり、寝ている間にこわばってしまった背中の筋肉を朝起きた時にほぐしたりしてみましょう。
やみつき!背中のストレッチ
今回紹介するのは、寝つきが悪い、起きた時に疲れが取れていない、背中の張りが気になる、という人向け。簡単なのでぜひ実践してみて下さい。
①四つ這いになります。肩の真下に手首、お尻の真下に膝がくるようにしましょう。息を吸いながら胸を前に開きます。このとき肩がすくまないように、なるべく頭を高い位置に引き上げます。
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②肩甲骨の間を高く引き上げ、あごを軽く引いてお腹をのぞきながら息を吐きます。①②の動作を呼吸に合わせて繰り返せば、背骨が滑らかに動きほぐれていきます。
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③四つ這いの姿勢でつま先を立てます。お尻をかかとにつけて、あごを引きながらおでこと膝を近づけるように頭を下へ降ろします。
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④両手で足の裏をつかみかかとからお尻を持ち上げると、腕が引っ張られて肩甲骨同士の間が開きます。このまま2〜3呼吸キープしましょう。
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⑤足の甲を寝かせて、かかとの上にお尻を下ろします。背中の後ろで両手を組み、ひじを伸ばしながら身体から腕を遠く離します。肩が心地良く開くのを感じながら、1呼吸つきましょう。