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千年前の記録を残す、薄くて丈夫な土佐和紙。「使われる紙づくり」を支える3人の女性たち

ライフスタイル

道具をつくれる人がいない

娘さんの世代に土佐和紙をつないでいくためには、原材料の確保、技術の継承、そして道具の継承が不可欠です。「うちは、原料と技術はできているので、道具をどうにかしないといけないと真剣に考えています」とあかりさん。

特に、土佐清帳紙を漉く時に使う茅簀(かやす)をつくるには、熟練の技術が必要です。しかし、道具職人さんは、どんどん減る一方。自分の姿を見て紙漉きになりたいと言ってくれる娘さんのためにも、今手元にある道具を大切に使いながら紙を漉き、道具をつなぐ方法を模索する日々が続きます。

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あかりさんが持ち上げているのが、茅簀(かやす)。繊細かつ緻密につくられたこの道具をつくれる職人はいなくなってしまった
写真提供:片岡あかりさん

つくり手と使い手を結ぶ

和紙のつくり手であるあゆみさんとあかりさん、そして使い手としての佳世子さん。これまでの経験を生かし、佳世子さんはつくり手と使い手をつなぐ架け橋としても活躍しています。

「つくり手がつくり出す紙と使い手が必要とする紙が一致しないことが結構あるんです。つくり手には使い手がどんな紙を探しているかを伝え、使い手にはつくり手側の情報を伝えて用途に合う紙を提案していくことで、もっと需要を増やすことができるんじゃないかな」

そう語る佳世子さんの目は、きらきらと輝いていました。

仁淀川流域にルーツをもつ3人の女性たちは、それぞれの経験を生かし、三者三様の手法で土佐和紙を守り続けています。

3月8日は国際女性デー。

国際女性デーは、世界中で女性の権利について考える日。OTEMOTOでも、さまざまな立場で活躍、奮闘している女性の声を聞いてきました。多様な生き方を選ぶ女性たちを勇気づける言葉や、自分と向き合うヒントが詰まっている記事をお届けします。

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