オール電化住宅では、調理や給湯、冷暖房などすべて電気で行います。そのため、オール電化にするとガス代はかからなくなりますが、当然電気をより多く使用します。オール電化に魅力を感じつつも、電気代がどのくらいかかるのか気になる人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、オール電化の電気代がどのくらいになるのか解説します。
オール電化とは
オール電化とは、家庭内で使用するエネルギーをすべて電力にすることです。ガスをまったく使用しないため、ガス会社と契約したり住宅にガス管を引き込んだりする必要がありません。お湯も電気で沸かし、ガスコンロではなくIHクッキングヒーターで料理をします。
オール電化の詳しい仕組みやメリット・デメリットなどはこちらの記事で詳しく解説しています。
オール電化の電気代の平均額
オール電化住宅にかかる光熱費の平均(2020年~2021年の年間使用量に基づく平均値)は以下のとおりです。
※参考:関西電力「オール電化世帯人数別の電気代平均額」
光熱費は冬、次いで夏に高くなり、春や秋では低い傾向にありますが、1年を通じて平均すると上記のようになります。
ただし、上記の平均値は2020年~2021年の情報です。関西電力では2022年7月から、お得なプランやセットメニューなどの新規受付を停止し、夜間の電気代を値上げしています。そのため、2023年以降の平均光熱費は上の表よりも上昇している可能性があるでしょう。
電気代の値上げを行っているのは関西電力だけではありません。次章では電気代の高騰がどの程度影響するのか解説します。
オール電化住宅が受ける電気代高騰の影響
2023年2月時点、各電力会社やガス会社は料金の値上げを続けており、光熱費の高騰が話題となっています。オール電化にしている家庭のなかには、昨年の同時期に比べ1.8倍もの電気代となっているところもあるそうです。請求書が届き驚きを隠せない家庭も多いことでしょう。
電気代の高騰を受けて、政府は2023年1月から8月までは電気使用量1kWhあたり7円の補助を実施する予定です。ただし、9月からは補助額が段階的に減るとされ、再び家庭の負担は重くなることが予想されます。
急激な光熱費高騰の理由としては、円安による燃料輸入のコスト増大やコロナ禍で落ち込んだ需要が一気に回復したこと、ロシア・ウクライナの情勢悪化などがあげられます。
これらの要因に大きな変化が起きれば、電気代も下がるかもしれませんが、現段階(2023年2月)では各電力会社とも値上げを申請している状態です。今後も電気代高騰が続く可能性は高いでしょう。
※参考:NHK「どうなる電気料金」
NHK首都圏ナビ「電気料金 規制料金と自由料金の違いは 値上げは春にも 今後どうなる」
オール電化の値上げ率は高め
電気代の値上げ率は、オール電化のほうが高くなるとされています。これは、オール電化では日中よりも深夜帯の電気代が安く設定されているのが理由です。もともとの電気代が安いことから、同じ金額を上乗せすると、通常のプランより値上げの率は高くなります。
そのため、日中はほとんど電気を使わないという人のほうが、電気代の値上げによって受ける影響は大きいでしょう。
オール電化の電気代はどのくらい増えるのか
2023年1月に発表された、東京電力ホールディングス株式会社、東京電力エナジーパートナー株式会社による値上げ申請の概要によると、標準的な家庭(30A、260kWh/月)の電気代は次のとおりになります。
2023年6月1日の料金見直しにより、3割弱の値上げとなる見込みです。申請どおりの値上げになった場合、オール電化住宅の電気代の平均は次の表のようになります。
世帯人数によりますが、3,000円~5,000円ほど電気代が上がる計算です。
オール電化とガス併用はどちらがお得?
オール電化住宅では、ガス会社と契約する必要がなく基本料金もかかりません。その分オール電化のほうが得なのではないか、と考える人もいるでしょう。しかし、エネルギーを使用する時間帯やガスの種類によっては、さほど変わらないこともよくあります。
特に、都市ガスは料金が安い傾向にあります。使い方にもよりますが、オール電化よりもガス併用のほうが安くなるケースも珍しくありません。
また、オール電化は一般に深夜の電気代が安くなります。そのため、日中から夜まで家に人がおらず、電気を使用するのが主に深夜だという人は、オール電化のほうがお得になる可能性が高いでしょう。
オール電化と電気・ガス併用のどちらがお得なのかは、こちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてください。