今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
生きていれば
今週のさそり座は、いつの間にか背中に負ってきた“さみしさ”をたな卸ししていくような星回りり。
『湯気立てて命さみしくまどろみぬ』(清原拐童)という句のごとし。作者は流転多き人生だったようで、俳句の指導者として多くの人に慕われた人物でありながら、同時にこうした枯れた弱弱しい孤独をずっと身にまとい続けた人でもあったのかも知れません。
はたして自分がいま見ているものが夢か現(うつつ)か。その境界線があいまいになった先で、ようやく枯れた孤独の影はうすまっていく訳ですが、それが束の間のまぼろしであることがよく分かっているがゆえの「さみしさ」はきっとひとしおでしょう。
あなたもまた、できるだけ感傷や誤魔化しを排して自身の命のありようを見つめなおしていくべし。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
孤独者の実感
今週のいて座は、思い切って「閑居における瞑想」へ飛び込んでいこうとするような星回り。
フランス革命に大いに影響を与えたジャン=ジャック・ルソー(1712~1778)は、最晩年の随筆集『孤独な散歩者の夢想』の中で、自分の人生の分岐点となった決断を振り返っています。
ルソーは40歳を前に定職を辞し、楽譜の清書の仕事だけで生きていく(今でいうフリーランス)生き方へと転換し、それと時期を同じくして『学問芸術論』や『人間不平等起源論』などの主著を次々と発表。そしてそんなルソーの脳裏にあったのは、青春の盛りを過ごした田舎の閑静な生活でした。
あなたもまた、ルソーのように自身に十分なヒマで心しずかでいられる時間を与えてやることがテーマとなっていきそうです。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
花の消息
今週のやぎ座は、非在をじかに見ていこうとするような星回り。
『山茶花やいくたび訪(と)へば通ふなる』(藤井あかり)という句のごとし。掲句で求められている山茶花の花(が散るの)を見るというのは、普通一般に日常生活でされているような見るものと見られるものの二項対立的な認識ではなく、「何かが見られる以前に見える」ことに他ならないのではないでしょうか。
つまりそれは、不可視なるものに裏付けられているこの世界を、花として眺めるということなんです。
あなたもまた、世界が花になった時、自分も花になっている消息を追っていくべし。