今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
胸の奥に新風を吹き込んでいく
今週のかに座は、停滞ないしマンネリ化した状況を打ち破るだけの力を誰か何かから借りていこうとするような星回り。
『泣きながらひとり枯野を歩きけり』(高橋淡路女)という句のごとし。
思わず帰り道を見失った迷子の童女を思わせる一句。作者は23歳の時に結婚するも、その翌年秋には夫を病気で亡くし、年が明けた2月に子供が生まれている。本格的に俳句を始めたのは子供が生まれた直後であり、掲句もその頃の作品なのだと思います。
あなたもまた、ここぞという時にはすすんで自身の弱さや愚かさをさらしていくべし。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ボールを投げ放す
今週のしし座は、普通より大きな声で、相手を特定せずに発話していく機会を増やしていこうとするような星回り。
赤道直下のザイールの熱帯雨林に住む農耕民ボンガンドの村に滞在した人類学者の木村大治は、この村社会の特徴をつねに「声に満ちた空間」なのだと表現していました。語る方も聞き手がそうして受け流してくれるだろうことを承知で、いわば無責任に会話を「投げ放」しており、聞き手も真剣にはその発話に関与しない。
それは、日本人が大事にしてきた「わかり合う」ことや「ふれ合う」こととはかけ離れていますが、ただただ、日本人のそれとはコミュニケーションのあり方が極めて対照的なのであって、そういうものに接していると、何が望ましいコミュニケーションなのかという固定概念もまた次第に曖昧になっていくはず。
あなたもまた、身近なひとりひとりに丁寧に、しずかに語りかけるというある意味で「日本的な」コミュニケーション以外の可能性にも開かれていきたいところです。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
蛇が衣を脱ぐように
今週のおとめ座は、三歩進んで二歩下がるくらいの感覚に、改めて自分を馴染ませていこうとするような星回り。
『日なたぼこのどこかをいつも風通る』(阪西敦子)という句のごとし。
何もかもうまくいかないと感じる時というのは、大抵の場合、生き急ぎすぎている。だから、そうした状況から脱するためには、どこかで生きているスピードを落とし、思いきって足を止め、掲句のようにジッと日なたぼっこする他ないような‟無為”の時間を過ごしていくことが、一時的にであれどうしても必要になってくるのだ。
あなたもまた、実際に「日なたぼっこ」にトライしてそんな感覚を取り戻してみるべし。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
両性具有的であるために
今週のてんびん座は、想定外への踏み出しを積極的に展開していこうとするような星回り。
6世紀に日本へ渡ってきた仏教は、日本土着の神を取り込んだだけではなく、生や性を根本のところで否定し、そこからの超越を説いてきましたし、その影響は日本人にとってじつに根深いものがあります。
仏教は性のエネルギーの尋常じゃなさや制御不可能性をよく知っていたがゆえに禁じようとしましたが、イザナギとイザナミにおいてはその想定外への踏み出しを国生みへと展開していったのであり、その意味で彼らの問答は、仏教とは異なるベクトルをもった生や性への「肯定の論理」を指し示すものでした。
あなたもまた、自分に足りないものを誰かの力を借りることで補い、シナジーを生み出していくことがテーマとなっていくでしょう。