今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
よどみと流れ
今週のさそり座は、過去を通して現在との生き生きとした遭遇を経験していこうとするような星回り。
『冬籠りまたよりそわん此の柱』(松尾芭蕉)という句のごとし。
過去を経由することを通じ、私たちははじめて現在と遭遇できるというパラドキシカルな認知回路を持っており、それを活性化できる言語装置こそが「文芸」なのかも知れません。
あなたもまた、過去と現在をまたいで“そこ”にありうるものの中へと溶け込んでいくべし。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
大きく飽きる
今週のいて座は、使い慣れた言葉やキーワードを脇に置いて、新しい「モノ」に触れていこうとするような星回り。
フランスの哲学者のミシェル・フーコーの著作に『言葉と物―人文科学の考古学―』というのがありますが、要は人間の現実というのは突き詰めれば言葉とモノからできているという話で、先のような現状を考えると、いかに「モノ」にこだわっていけるかがますます問われる時代になってきているのだとも言えます。
つまり、ネットで検索できるような言葉や、SNSやネット上の記事などで書かれたストーリーよりも、自分が直接出会ったり、触れ合ったりした「モノ=言葉の外部にあるもの」を定期的に取り入れていくことで、自分のネット環境(検索する言葉やアクセスするリンク先)を更新していく必要があるのだ、と。
あなたもまた、そうした大々的な更新のタイミングを迎えつつあるのだと言えるでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
スイッチを入れる
今週のやぎ座は、どんな状況にあっても、崇高さと雄々しさを忘れずに持っていこうと決意していこうとするような星回り。
『霜の墓抱き起こされしとき見たり』(石田波郷)という句のごとし。
作者は30歳の時に戦地で重度の結核にかかったことが転機となり、後半生は病中吟や療養句がテーマとなっていった俳人でしたが、掲句はおそらくその数年後、三度にわたる大手術をする直前に詠まれたものでしょう。全体が死への予感で貫かれています。
あなたもまた、目をそむけることなく直視すべき「なま」の真実を見据えていきたところです。