静岡県静岡市駿河区丸子(まりこ)地区にある「駿府の工房 匠宿(すんぷのこうぼう たくみしゅく)」は、静岡の伝統工芸を気軽に体験できることで人気の施設です。カフェにギャラリー、セレクトショップなど、1日たっぷり楽しみたい施設の魅力をご紹介します。
静岡の伝統を未来へつなぐ「駿府の工房 匠宿」へ。アクセス方法は?
静岡市にある駿府の工房 匠宿は、陶芸や木工・染めなど、静岡の伝統工芸を体験できる施設です。
公共交通機関を利用してアクセスする場合、JR静岡駅から中部国道線・藤枝駅前行きのバスに乗り、「吐月峰駿府匠宿入口」で下車を。
車を利用する場合は、東名高速道路静岡ICから国道84号を経由し、国道1号を通って約15分で到着。無料駐車場が併設されています。
写真提供:駿府の工房 匠宿
「歴史と未来を結ぶ場所」をコンセプトに、2021年にリニューアルオープンした駿府の工房 匠宿。建物の特長を活かしたまま、たくさんの人が、思い思いに心地よく過ごせる場へと生まれ変わりました。
駿府の工房 匠宿には、さまざまな工芸体験ができる3つの工房や、プラモデルで有名なタミヤ監修の模型工房のほか、伝統工芸品の展示館、ギャラリーやカフェなどが集まっています。
晴れた日には、のんびりと中庭を散策するのもおすすめ。緑や水辺など、自然を身近に感じることができますよ。
では早速、エントランスへ向かいましょう。匠の技で彩られた開放感あふれる空間に、思わず胸が高鳴ります。
【体験】4種類のオリジナル図案!ミナ ペルホネンの型染め
写真提供:駿府の工房 匠宿
駿府の工房 匠宿にある工芸体験工房は、全部で3つ。染めと駿河竹千筋細工(するがたけせんすじざいく)の体験ができる「工房 竹と染」、木工工芸の指物(さしもの)と漆体験ができる「工房 木と漆」、陶芸体験ができる「工房 火と土」があります。
中庭を囲む建物のなかから、お目当ての工房を目指しましょう。
この日訪れたのは、「工房 竹と染」。入口を入って右にある広い染め工房では、工房長である職人さんが実際に作業をしている姿を見ることができます。
今回は、ファッションブランド「ミナ ペルホネン」のデザイナー・皆川明氏が匠宿のために描き下ろした図案をベースにした、型染めを体験。
予約時にTシャツや巾着、ポーチなどのなかから好きなアイテムをチョイス。さらに、4つの図案から好きな絵柄を選びます。
スタッフの方から説明を受けながら、10色の顔料インクで好みの色を作り、もち粉と糠を使用して作られた糊の上に色付けしていきます。
色付けしたものは専用の袋に入れて持ち帰り、自宅で水洗いをして乾かすことで、作品が完成。自分だけのオリジナルを作り上げる、貴重な体験です。
左「ミニトート」3000円、右「フラットポーチ」3000円/ともに要予約、所要時間90分
「工房 竹と染」ではほかにも「藍染ハンカチ」1300円(予約推奨、所要時間40分)や、静岡らしさ満点の、お茶を使った和染「お茶染め・ミニトート」3000円(予約推奨、所要時間20分)などの体験メニューも。 時間と目的に合わせて、好きな体験をチョイスしましょう。
【体験】静岡の伝統工芸「駿河竹千筋細工」
写真提供:駿府の工房 匠宿
続いて、同じ工房内にある駿河竹千筋細工のエリアへ。
国指定を受けている静岡の伝統的工芸品・駿河竹千筋細工の職人さんが常駐し、目の前で実演を行います。1人前になるのに5年から10年はかかると言われている匠の技を、こんなに間近で見られることに感激です。
駿河竹千筋細工は思わず尻込みしてしまいそうな繊細さですが、不器用な方も心配無用。体験メニューは種類豊富で、誰にでも気軽に楽しめるようにあつらえられています。
奥「ペン立て・こはる」2000円、手前「コースター」1800円/ともに予約推奨、所要時間30分
ペン立てや小物入れのほか、風鈴や花器なども選ぶことができます。大切に使い続けることで、時間の経過とともに竹の色が変化していく様子も楽しめますよ。
さまざまな伝統工芸を体験することができる駿府の工房 匠宿。あれもこれもと目移りしてしまいますが、ぜひじっくりと吟味をして、特別な時間を過ごしてくださいね。