開放的な空間でワインを片手に絵画を描く…そんな非日常的な体験ができる場所を知っていますか?「パークホテル東京」では、絵画とペアリングしたワインを味わいながら、絵画を制作する大人のワークショップが開催されています。手ぶらで訪れ、初心者でもアーティストになれるすてきな体験の様子をご紹介!
高層階のアートホテル&ペアリングワインにうっとり
汐留駅から徒歩約1分。駅直結のビル内にある「パークホテル東京」。エントランスから客室まで常時400点以上のアートが展示され、どこにいてもアートに触れることができる、まさに“泊まれる美術館”です。
そんな「パークホテル東京」の26階に位置する「プライベートサロン」では、毎月第2・4土曜に「アート体験ワークショップ」が開催されています。こちらはアート体験を提供する「artwine.tokyo(あーとわいんとーきょー)」とのコラボレーションのもと行われているワークショップで、毎回、絵の題材や講師も異なります。「artwine.tokyo」公式サイトから事前予約をすれば、宿泊者以外も参加可能ということで、早速体験してきました。
会場となる「プライベートサロン」の窓の外には、高層階ならではの開放的な景色が広がっています。そんな非日常的な眺めに見とれながら着席。
各席には、キャンバスとイーゼル、3種類の大きさの異なる筆、パレット、筆洗、ワイングラスが1人につき1セット用意されています。普段は手にすることのない道具と、特別な空間に気分が高まりますよ。
体験中に絵の具で服が汚れないように、エプロンとアームカバーを貸してもらえます。着てきた服装のまま気軽に参加ができるのはうれしいですね。エプロンを身にまとうだけで、自然と気持ちにスイッチが入ります。
「アート体験ワークショップ」では、ワインを味わいながら絵を描くのも醍醐味の一つ。ワインは毎回、絵の題材に合わせて「artwine.tokyo」のワインソムリエがぴったりの1本をペアリングしています。
今回の絵の題材は、ジョルジュ・スーラの『エッフェル塔』。
スーラは「点描」という技法を確立した19世紀後半の印象画の画家で、今回の作品は、パリ万博時に建設中だったエッフェル塔を描いたものだそう。
ドリンクはワイン以外にノンアルコールの用意も
この作品にペアリングされたワインは、フランスのブロバンス地方で作られているブドウの品種を使った「Guéritou Orange(げりどぅー おらんじゅ)」。
『エッフェル塔』の着彩で重要なオレンジ色からヒントを得て、オレンジワインがセレクトされています。
ワインとお菓子はおかわり可能
このワインの生産者「Mas de Valériole(ます・ど・ゔぁれりおる)」は、歴史あるワイナリーで、早くから無農薬農法に切り替え、酸化防止剤無添加で仕上げたワインを提供しているのが特徴。
こういった、新たな生産手法を編み出しながら自然との調和を試みる“ワインの生産者”と、「点描」という技術を確立し、かつ、自然との調和が感じられる“スーラの『エッフェル塔』”が見事にマッチしているのもペアリングのポイントです。
初心者でも夢中になれるアート体験スタート
絵の題材とワインについて理解を深めたところで、いよいよ制作開始です。
まずは、点描で描く前に、エッフェル塔の下書きをしていきます。
下書きでは、水をたっぷり含ませた筆に黄色の絵の具を取って、ごく薄く線を引きます。真っ白なキャンバスにいきなり描き始めるのではなく、キャンバスの留め具の位置を目印に、印を付けながら線を引いていくので初心者でも安心。
ここでは線が曲がったり、あまり気に入らなかったりしてもOK。後から修正できるので安心して取り組めます。
下書きを終えたら、一面を黄色の点で埋めていき、まずは土台作り。点描は重ねていくうちに、点と点の隙間から下地が見えることで奥行きが生まれます。
続いて、自分好みのオレンジ色をパレットの上で作ったら、下書きをなぞるように点を打って、自分の思うままに自分の好きな色でエッフェル塔を描いていきます。「正解」がないので、自然と“自分らしさ”を解放できますよ。
エッフェル塔の中と、赤く染まった空の部分にもオレンジ色を点描。先生のアドバイスをもとに、筆を右や左に傾けたり、濃淡を変えたオレンジや黄緑色をのせたりすると奥行きが生まれ、味のある絵になってきました。
次に、エッフェル塔や背景に水色〜青で影をつけていきます。
見本を見ながら、影になる部分にそっと色をのせてみると、一気に本物に近付きました!いきなり青色をのせるのが心配な人は、薄い水色から少しずつ濃くしていくのがおすすめです。
最後に背景の空をイメージして水色を点描していきます。埋め尽くすというよりは、隙間を利用して下地の色も生かしながら点描します。筆の大きさを変えたり、筆の角度を変えたりしていくとさらに表情が生まれました。